内容説明
戦争と政治に引き裂かれ、「北京」と「台北」に分立することになった、ふたつの故宮。為政者の対立は、東洋の二大博物館を相容れない仲にしてしまった。しかしいま、中台の歩み寄りが、両故宮を接近させつつある。数々の歴史的秘話や初の「日本展」への動きを明らかにしながら、激動を始めた両故宮に迫った最新レポート。
目次
序章 故宮とは、文物とは
第1章 民進党の見果てぬ夢―故宮改革
第2章 文物大流出―失われたのか、与えたのか
第3章 さまよえる文物
第4章 文物、台湾へ
第5章 ふたつの故宮の始まり
第6章 中華復興の波―国宝回流
第7章 故宮統一は成るのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
20
故宮博物院の歴史については興味がありましたので、面白く読めました。私は中国においては文物が正統性を担保すると思っていましたので、蒋介石も文物を優先的に台湾に運んだと思い込んでいましたがどうも違うみたいだというのが一番印象に残りました。北京には行ったことありますので、いつかは台北に行ってみたいと思いました。2021/10/15
umeko
16
非常に興味深く読んだ。故宮の歴史なのだが、その背景には台湾と中国との関係がある。歴史に翻弄されたのが物言わぬ文物だけに、考えさせられる内容だった。2019/07/06
テキィ
8
台湾へ行ったのは何年前だったっけ? あの時、同行した同僚をかなり強引に説得して故宮へ行ったんだけど、それでよかったと思う。近代の宝物流出先が関西圏中心なのは改めて知った。西宮とか行ってみたい。2011/11/19
kokekko
6
「蒋介石が台湾まで文物を持っていた」ということは知っていても、具体的にどういう風に持って行ったのかまではまるで知らなかった。「老故宮(文物と一緒に海をわたった外省人)」など知らなかった言葉もいろいろ。良書。しかし今後の中国と台湾の関係はどうなるのだろう、香港のようになるのだろうか……。2024/03/19
R
6
台北と北京の二箇所にある故宮博物院の辿った運命、そのなりたちを書いた本でした。政治的に翻弄された、または、そういう事件に、大きなものに流されたともいえるような姿は深く考えさせられました。何度も企画されては流されてしまう「統一故宮展」が、どれほど悔しいことかがとても強く伝わってきました。ここにきて、台北故宮のみの展覧会が日本で開催されたけども、いつか、ふたつの故宮展が行われるだろうかと夢をみたくなりました。2011/12/07
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