内容説明
初心者ボランティアも押し掛けていい!?
被災地で何が求められているのか?
細かなニーズに対応できるのは、十人十色のボランティアしかいない!
2011年3月11日に発生した東日本大震災は空前の規模の被害をもたらした。テレビなどで次々と伝わる被災地の惨状。そうした現実を目の当たりにして、「自分も何か彼らの役に立てないだろうか」と考える人は多い。そうした被災者支援で、もっとも求められているのが、ボランティア活動だ。ボランティア活動を理解し、ボランティア活動を実践するための心構えを、世界各地で災害復興に携わってきたベテラン・ボランティアが解説!
目次
第1章 東日本大震災の現場へ(初動 被災地に近づき、声を拾う ほか)
第2章 ボランティアの本質(ボランティアは押しかけていい KOBEで混乱は起きなかった ほか)
第3章 「何でもありや!」のボランティア論(国がつくった「お作法集」 マニュアル化が、考えないボランティアを生む ほか)
第4章 震災をいかに乗り越えるか(必要なかったボランティアコーディネーター 被災者の仕事をつくる ほか)
第5章 海外災害救援で学んだこと(あの日のこと NGOにかかわるようになった理由 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天茶
5
★★★☆☆ 「被災地へのボランティアはかえって現地に迷惑をかける」という言葉に代表されるように、日本にはどこかボランティアに対するネガティヴな印象がうっすら漂っている。災害が起こるとネット上に「やみくもに現地に行くより金銭的支援を」という意見はお決まりのように流れる。しかし著者によれば、阪神大震災でボランティアが被災者に迷惑をかけたという実態はあまりないにもかかわらず、東日本大震災では「ボランティア迷惑論」が大手をふるい、現地入りするのに二の足を踏むボランティアも多かったという(続)2021/02/18
おやすみ
3
筆者は長年のボランティア経験から「ボランティコーディネーター不要論」を唱えており、ボンランティアの自主性を大事にするボランティア活動を推進している。全面的には賛成ではないが、ボランティアの認知度が高まるにつれて、活動場所が広がるのは良いが、行政から業者にまかせるのでなく、ボランティアが無料の労働力として扱われる傾向が生まれているのを被災地で感じることがある。3.11のボランティア活動の中で、新しい運動形態が生まれるのではないか、と予想させる1冊です。2011/09/16
まいまい
2
東日本大震災についてどうボランティア活動をしていけばいいか、非常に参考になった。自分自身、被災地NGO協動センターの教えのもと、足湯の活動をしていく上で村井さんの考え方をもう一度確認出来た。長い支援が必要なので、自分がどう活動していったらいいか、見えた気がする。2011/06/22
みはえ
1
完全に自主性に任せる考えも大切。でも東日本大震災のように本当に人の手が足りない状況ならある程度指導やマニュアルが必要になってしまうと思う。ボランティアに長く携わり慣れている人とそうでない人には大きな差があると思うし。日本が今後、行政に頼らずボランティアが人を支える社会に変わることはできるのか気になる。2012/12/09
jupiter68
1
活動家としての著者であるので、非常に参考になる部分があった。一方で、反論もかなりある。たとえば、著者は社会福祉協議会はじめ行政側がボランティアを管理すること、マニュアルの存在を批判しているが、全てのボランティアが理想通り全てを理解して自分で行動を決められるのなら良いが現実はそうではないことを理解しなければならない。著者自身108,109ページあたりに書いているとおり、「はあ?」と思うような人たちもかなりいる。3.11からの反省はあると思うが、さまざまな組織やボランティアが適切に関わることが重要だ。2012/01/09