内容説明
「茶の湯を通して心を豊かに」の思いで国内外で活躍する遠州茶道宗家13世家元が、茶の湯の世界を自由闊達に語りながら、日本人の価値観の秘密に迫る。欠けているものをも愛し、心を清めることを尊び、出会いを大切にする……。茶道の知識がなくとも楽しく読みながら、いつしかこの国がいとおしくなる一冊。
目次
はじめに 茶の湯は日本文化の集大成
第1章 心を磨く
第2章 もてなす
第3章 清め、高める
第4章 愛でる
第5章 綺麗さび
付録 お茶席に臨む前に知っておきたいこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
akira
16
図書館本。 学ぶことの多い一冊だった。礼儀作法にはそのうらにある精神がある。亭主の心、お客の心。心を知らずに破るは野暮なのだと。 余白とはほんとうに「余りもの」だろうか?多くを描かず、見るものの想像を促す。物語でも結末を委ねる名作は多い。気付けるか、楽しめるかは読者次第か。 「余白の美」2019/09/07
レオンハルト=フリードリヒ=ソートイ
5
一座建立。 花は野にあるように などなど。日本人が 育くんできた文化の集大成が茶の湯であり、宇宙つまり果てしない広がりを持って迫ってくる。もてなしの心。2013/07/21
シフ子
5
791コ 日本文化の集大成であり総合芸術である茶の湯について。茶事は4・5人のお客を招いて 会席料理 濃茶 薄茶でもてなす約4時間の催し。茶の湯が重んじる美意識を知ることは 日本人の心のあり方に近づくとして 礼儀やもてなし 手前を学び教える者の心得 余白の美と不足の美などを体系だててわかりやすく諭す。一人で手前を思い出して復習する暗記稽古は 手順を考えるのでなく体に覚えこませるためとの件と「人に教えることは茶の湯の学びを深め自らの茶人としての成長にもつながるのです」104は 全てに通じる本質と心得る。2012/05/04
チューリップ
4
あんまり文章量ないのでさくさく読める。巻末のマナーは覚えておくと役に立ちそうだなあ。2011/12/01
Kentaro
4
ダイジェスト版からの要約 茶の湯を学んでいくと、整理整頓の大切さが理解できます。点前は、お客様の見ている前で、準備の段階から一連の動作を決まった順序で進めていきます。動作が一つ飛んでも上手く次に繋がらないということを身をもって経験できます。今起きていることだけ、今何をするのかだけを考えていると次の動作は出てきません。次に何をするかを念頭に置くことで、今何をすべきかがおのずと見えてきます。先のことが見えると今何をすべきかが自分の中から出てくるようになる。これこそが頭の中が整理整頓されているということだ。2018/06/13