新潮新書<br> 復興の精神

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新潮新書
復興の精神

  • ISBN:9784106104220

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内容説明

東日本大震災以降、私たちはどのように考え、どのように行動し、どのように生きていくべきなのか。すべての日本人が向き合わねばならないこの問いに、九人の著者が正面から答えた。「精神の復興需要が起きる」「変化を怖れるな」「私欲を捨てよ」「無用な不安はお捨てなさい」「どん底は続かない」……その言葉は時に優しく、時に厳しい。3・11以降を生きていくための杖となる一冊。

目次

精神の復興需要が起きる(養老孟司)
変化への希望(茂木健一郎)
公欲のために私欲を捨てよう―「災後」の歴史認識(山内昌之)
無力者の視線(南直哉)
プロメテウスのように(大井玄)
無用な不安はお捨てなさい(橋本治)
無常―どん底は続かない(瀬戸内寂聴)
「いきてるといいね」(曽野綾子)
「大丈夫、必ず復興しますよ」(阿川弘之)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

307
震災時にいろんな識者が共著でこの震災について思うことを書いた1冊。特にこの震災を受けて日本が良くなるはずという言説に対して中々5年近く経った今でも実感がない。なんとなく出来るだけ元の日常に戻したい人は多いが、より良くしようとまで動く人はあまりいないんだろうな。2016/12/04

うりぼう

52
9人の識者が、それぞれのその時の思いを綴る。誰もが、発災当時の自分を語り、生きてきた道と照らして今後を想う。養老氏の「人生は『答』」そのままがここに。その落差にまさしく構造主義を視る。最後の3者は個性が際立ち、歳を経るとはと思う。橋本氏は、病に気を奪われ、自分との距離と感情の相関を識る。山内氏の「応仁の乱」「70年代」「東日本大震災」が3つの大変動との主張が面白い。茂木さんは、何も語らず、変化すると。唯一、行動する大井氏は、江戸時代の閉鎖系社会を説き、自信満々。南氏の無力を意志して、生を受け入れるに共感。2011/07/23

ちくわん

19
2011年6月の本。9人ですが、十人十色。個人的には大井玄氏、阿川弘之氏。橋本治氏は、本書は理解できた。生まれてこのかた、いろいろあったが、東日本大震災は、忘れない。復興はいつまでも終わるものではない。あまり考えたくないが、新型コロナの後にも社会的な苦難はあるのだろう。いわんや、個人ごとの苦難は…あ~ぁ。2020/09/22

佐島楓

12
南直哉さんの文章、「無力者の視線」が印象に残った。震災以降私の中でくすぶっていたもやもやとした思いを見事に著してくださっている。やはり、人間は謙虚でなくてはならない。無意識のうちに便利さを当たり前のものとして享受し、おごっている自分に強い問いかけをいただいた。2011/07/21

calaf

10
曽野綾子さんって、名前は知っているけど...という感じでしたが、9人の中では最も共感できました。著書を読んでみるかな...まぁ、人の考え方/生き方と、その人の書いたものの内容とが同じであるとは限りませんが (^_^;;;2011/09/19

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