内容説明
「日本列島は、巨大なプレートの境界部にできた島国である。そんなところで原子炉に火を灯すのは、まさに象の背中で焚火をするようなものなのだ」。原発と社会を考えるための4つの短編。
■『地球の落とし穴』『パンドラの箱の悪魔』からの再構成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
10
『象の背中で焚火をすれば』の意味がよくわかりました。2014/03/21
Humbaba
9
科学技術の発達によって、様々なものに対してその根源になる部分がわかりつつある。しかし、いくら歴史や来歴が明らかになったとしても、それによって人が幸せになれるのかはまた別の問題である。人の生活を豊かにする大きな力も、制御を誤れば災厄を招く悪魔の力となる。2013/11/07
coolflat
3
国際熱核融合炉イーターの問題点を解説している。核融合とは水素の原子核を融合させる現象である。イーターはDTトマカク炉、即ちDT核融合である。因みにDは重水、Tはトリチウム。従って核融合は放射性物質を使う発電法なため、クリーンではない。ところで核融合させるには、重水素とトリチウムの反応を閉じ込めておかねばならない。そこで使われるのが磁力である。しかし断層だらけの軟弱な地層に建てれば、地震がなくともそのまま建っていられない。装置が僅かでも傾くからである。磁場に突然の変化を起こしたりすれば、大事故が起こりうる。2012/10/26
Humbaba
2
多数派だからといって、必ずしも正しい判断を出来るわけではない。また、そもそもその多数派が、本当の意味で多数派であるというかどうかもよく見ておく必要がある。ある方法で多数であるとしても、また別の調査方法では別の結果が出る可能性も充分にある。2015/02/23
Ponyo
2
原発の在り方…と言うより、そもそも生きていく上で何を考え、何を求めるかといった本質的なところを突いた本。その中で原発を建てるリスクや現状を問いている。夏場の数日間節電するか、節電できないなら東京に原発を建てるか、という選択を迫られてもおかしくない関東の人々。自分自身も考えさせられたな。2011/11/23