内容説明
大阪・枚方のアパートで女性が殺害された。恋人が容疑者としてほぼ確定していたが、スクープを狙う新聞記者の私は、事件を追ううちに真犯人と思しき人物に辿りついた。しかし、彼には二重のアリバイが――。(「北の女」)。堅物刑事が鉄壁のアリバイに挑む「汚点」ほか凝縮された鮎川ミステリー短編五編。鮎川作品の面白さが倍増する未収録エッセイを特別収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
156
これも鮎川さんの短篇・中篇集です。二つの短いエッセイと4つの短篇一つの中篇が収められています。いつもの主人公は出てきません。記者や刑事などがアリバイを崩していくのですが、最近はこのような推理モノが少なくなっているので希少価値があります。最後の中篇の「夜の疑惑」が一番楽しめました。2017/02/09
したっぱ店員
42
電話などの小道具が古いのはわかっていたけど、描写やセリフ自体、とくに女性の描写の昭和感がものすごくて、もはや古典、ホームズを読んでいるような感覚。トリック自体は面白かった。2018/10/12
yu
29
Kindleにて読了。 殺人を計画し、完全犯罪を目論んで実行する。殺人、犯人ありきで進んでいく短編集。古畑任三郎的な手法なので、どうやって犯罪が暴かれていくかに焦点を絞って読み進められる。時代を感じるものの、どれもなかなか面白く読めた。2016/09/27
coco夏ko10角
22
アリバイ崩しものばかり5つの作品収録の短編集。エッセイも。『夜の疑惑』が特によかった。トリックもだけどラストも。 北の女/汚点/下着泥棒/霧の湖/夜の疑惑2020/08/19
☆エンジェルよじ☆
17
シリーズ物じゃない本格的短篇集。どれもとても面白かった。「夜の疑惑」の犯人のしたたかさには脱帽です。エッセイもよかった。2011/06/06