内容説明
『マルドゥック・スクランブル』『ヴェロシティ』、そして第3部『アノニマス』 刊行開始から8年を経て、コミック化、劇場アニメ化と、なお広がりをみせるマルドゥック・シリーズ。 本書ではバロット、ウフコック、ボイルドの過去と現在、そして未来を結ぶ5篇に加え、 『アノニマス』を舞台にした書き下ろしを収録。さらに著者のロング・インタビュウ、『スクランブル』幻の初期原稿を抜粋収録するシリーズ初の短篇集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
74
ファンブック。クランチ文体じゃないボイルド&ウフコックコンビの短編は軽妙軽快で楽し♪嬉し♪ アノニマスの序章のような新09とウフコックの独白の二編も、驚きとワクワクで読み手を次へと誘う。ボイルド視点のグラウンドゼロは、ボイルドファンとしては嬉しい反面、蛇足に感じる面もある。読み手として想像妄想の際まで使い切って堪能し、ドーパミン大盛りで脳内完結させていたものなので、会えて嬉しいんだけれど、どっちかっつうと、二次創作的な? クールダウンにはよかった。アノニマスはいずれ。2021/02/14
明智紫苑
65
『アノニマス』を読むまでの復習としての再読。『ヴェロシティ』以前に書いた『スクランブル』外伝と『ヴェロシティ』予告編は、実際の『ヴェロシティ』とは細かい点が違うから、おそらく『アノニマス』予告編も実際の本編とはかなり違う箇所があるのだろう。インタビューの「古典化を阻止するための試み」でどうしても連想させるのは『ファイブスター物語』の大々的な設定変更だけど、永野さんも冲方さんも「クリエイターとしてワガママ」だなぁと思うのね。まあ、優れた才能こそが当人たちの「ワガママ」の根拠(もしくは口実)なのだが。2016/03/30
とくけんちょ
48
マルドゥックの短編集。この世界観は、短編にこそ、よくマッチするものだと思う。長編も面白かったが、事件単位で短編を読みたい。その方が、スタイリッシュなアクションを楽しむことに集中できる。アノニマスはまだ連載中のようで、読み始めるかどうか悩み中。2022/09/25
アイゼナハ@灯れ松明の火
46
『マルドゥック・スクランブル』〜『ヴェロシティ』そしてまだ見ぬ『アノニマス』に跨がった6片のフラグメンツ+著者インタビュー(+おまけ掌編)。何と言っても書き下ろしの『アノニマス“ウォーバード”』にゾクゾク。冒頭ではどんなイヤな話なんだと思いましたけどね。〈イースターズ・オフィス〉に新たな仲間たちかぁ…果たして何人生き残れることやら?? 『ヴェロシティ』の改稿も目論んでおられるようですが、是非『アノニマス』の方を先にリリースしていただきたいものです。2011/05/16
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
37
『マルドゥック・スクランブル』シリーズのスピンオフみたいな位置づけなんだろうか。アニメ版、コミック版が刊行されて、原作が古典化してしまわないために、全面改稿したという作者のこだわりに感服。キャラクターがいろんな視点で描かれているので、読み進めるほどに立体的になっていく。『マルドゥック一座』のような趣きがある。シリーズ全作品を制覇したい。2014/02/09