中公新書<br> 昭和天皇 「理性の君主」の孤独

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中公新書
昭和天皇 「理性の君主」の孤独

  • 著者名:古川隆久【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
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  • ISBN:9784121021052

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内容説明

新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった-。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。

目次

第1章 思想形成(東宮御学問所
訪欧旅行
摂政就任)
第2章 天皇となる(田中内閣への不信
首相叱責事件
ロンドン海軍軍縮条約問題)
第3章 理想の挫折(満洲事変
五・一五事件
天皇機関説事件と二・二六事件)
第4章 苦悩の「聖断」(日中戦争
防共協定強化問題
太平洋戦争開戦
終戦の「聖断」)
第5章 戦後(退位問題
講和問題と内奏
「拝聴録」への道)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

47
昭和天皇の生涯をまとめたもの特に戦前、戦中の話が多く取り上げられており戦争責任を追及する内容になっていたが、最後の昭和天皇の写真を見ると何か感動するものがあった。いつの時代も臣民の側が天皇の大御心にちゃんと拝察する必要があるのではと思った。2012/02/04

tamami

45
後半は粗筋を流し読み。できるだけ一次資料に近いものを取り上げ、著者の解説を挟みながら、実証的に昭和天皇の生涯に迫る。やや煩瑣な史料の羅列の中から、青年期までの思想形成、志とは逆に戦争推進の立場に立たざるを得なかった壮年期、戦争についての責任が陰を落とす老年期が浮かび上がってくる。天皇の政治的生涯については強い光が当てられているが、もっと人間としての側面にも言及して欲しかった。神御一人と言われた戦前の天皇に対しても、実に様々な政治勢力やマスコミが、自己の勢力増進のために権謀術策を重ねていることに驚かされる。2022/04/17

林 一歩

29
著者は昭和天皇擁護派の方なんだろうけど、資料に基づいた客観的な書きぶりに好感がもてた。他にいろいろ読んでから再読したいと思います。久しぶりに良い皇族関連本に巡りあいました。2013/09/30

浅香山三郎

17
昭和天皇に関する史料への参照状況がよくなつてきたこともあつて、本書のやうにかなり充実した評伝が書かれるやうになつた。とくに、幼少期からの教育や外遊経験がもとになつて、昭和天皇が思つた以上に立憲主義的な原理原則にうるさかつたやうだといふ指摘は興味深い。大日本帝国憲法のうへに明治以来の不文律であつた運用や諸装置(元老や宮中など)のバランスによつて成り立つてゐた国家が、やがてその均衡を崩し、戦争に突入していく。戦前の国家体制の矛盾や限界を知る上で、昭和天皇という個性をどう捉へるかといふ論点は依然興味深い。2021/03/14

MUNEKAZ

15
例え国家元首であったとしても、歴史の大きなうねりの中では、誠実な一個人の意志など取るに足らないもの。そういう感慨を抱かせる一冊。大正デモクラシーの空気を一身に受け、リベラルな政治傾向を持った昭和天皇だったが、軍部の台頭とそれを容認する社会情勢の中で孤立し、自らの考えを貫徹できずに苦しむ姿がこれでもかと描かれる。あるいはもっと高圧的に自らの意志を示せば歴史は違ったかもしれないが、独裁者ではない「理性の君主」たる昭和天皇には無理な話か。ただ、最期まで自らの地位に伴う責任を意識し続けたのには、帝の矜持を感じる。2021/08/01

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