内容説明
山ふところに抱かれた草津の温泉旅館に、きよ子は隠れるように暮らしていた。20数年前に捨てられた女は、それっきり地獄をのたうって生きてきた。あの男が今、客として現われる。功なり名をとげた画家として…。きよ子は決して男を許していなかった。殺意は今も、きよ子の胸の奥のほうで静かにくすぶっていた。表題作ほか、愛の地獄に生きる女たちがかなでる美しくも哀しい旋律全10編。さまざまな形の女性像と恋愛の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
baba
25
挿画が村田涼平さんだったので手にとる。時代物と思っていたら国電の単語が出てくる、30代女性の短編集。幸薄い女性が多く、そのほとんどが周りの状況に諦めたり、自分を犠牲にしたりで当時の世相では仕方がないのであろうがイラッとしてしまう。2016/03/17
ゴルフが好き
1
好きなジャンルではないが… たまには。2017/11/10
ELM
0
描かれている女性たちが皆生々しい。もちろん女性達以外の人物達もとても生々しく繊細に、しかし形を持って描かれているのだが、やはり主題材となっている女性達の描写がなんとも素晴らしい。時に可愛らしく時に狂気に、そして哀しげに描かれる女性達。どの話も大変面白かった。 2011/06/08
なでしこ
0
図書館でたまたま目について借りた。 勝手に時代小説だと思いこんでいたので、少しびっくりした。 女性の哀れさが身につまされる内容だったが、読んでてイライラした。 2013/03/22
sensei
0
「湯の宿の女」を含んだ色々な女の話が十編収録されている。2024/06/21