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内容説明
幸福は二つの次元から成立する。一つは、生きるための基本的物財の確保、言論、集会、行動その他の自由、そして、諸権利の平等の実現である。これを可能にしうる社会構造がデモクラシーであり、それは古代ギリシア人の創造に始まり、現代においても、歴史を動かしている起動力である。他は、心の安らぎであり、それは、偶然と運命に翻弄される人間が、存在の根源に帰ることにより、達せられる。現代が直面している問題を、ギリシア哲学が切り開いた視野から考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
11
混迷を極めるこの現代にこそ、このような国家、ひいては人間についての根源的な事柄を考えなくてはいけないと思った。読み物としても面白かったです。2011/09/08
Ex libris 毒餃子
9
講演録なのでギリシア哲学入門というよりは岩田靖夫哲学入門といった感じ。タイトルから期待するものは得難いが、ギリシア哲学の深い理解と現代的意義は得られる。ギリシア哲学でもプラトンと特にアリストテレスが中心です。そこからレヴィナスにとんだりしますのでなかなか難しいが、クサカベクレスもやる手口だからいいのではないかしらね。2022/01/10
amanon
5
再読してみて、やはり良書だと思った。ただ、やはりこのタイトルは内容にそぐわないという点で問題。また、哲学だけでなく、宗教や人生訓的な要素が強いという点が批判の対象になっているようだが、個人的にはそういう要素が本書の魅力だと思う。第2章で古代ギリシャの政治論から、レヴィナスの思想、更にはラルシュの活動まで言及するくだりは、著者の対象の幅広さと、宗教的倫理観が垣間見られてとりわけ興味深く読めた。また、霊性や宗教を主に扱った最終章は宗派を超えた、崇高なもののを根源性をわかりやすく 説いたという点で重要。 2020/12/29
shouyi.
4
ギリシア哲学を学ぶ時、古色蒼然なイメージがまずあって、この本を読む前は学ぶ意義が見つけづらかったが、とても意味ある一冊となった。まず、当然ながらギリシア哲学が主題の本だが現代哲学者との関連が語られること、そして現代的テーマとつながっていることで強い関心をもって読むことができた。2021/11/11
ソラヲ
4
タイトルから想像されるような堅い哲学史的な内容ではなく、たまにギリシア哲学に言及しつつ筆者が自論を展開する、というスタイルの本。第一章は哲学の入門的な内容で、「驚き(タウマゼイン)」は勿論のこと「働く」や「交わる」という点からも哲学を捉えるのが筆者らしいと感じた。ギリシア哲学に関する章はプラトンとアリストテレスの政治思想の違いに着目されていて分かりやすかった。近代以降の哲学についても触れられており、特に存在論や他者論の文脈で「不安」に関するハイデガーとレヴィナスの捉え方の違いが論じられていてスッキリした。2014/07/13
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