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内容説明
政治の閉鎖を打破する力を探る!
古臭い大衆迎合政治と否定されながら、世界的に大きなトレンドとなっているポピュリズム。そこには民主主義の本質があった。
伝統的なポピュリズム政治からサッチャー・中曽根のネオ・リベラル型ポピュリズム、そして小泉・サルコジの現代ポピュリズムまで、そのメカニズムを多面的に明らかにする。
社会の停滞を打ち破る政治のダイナミズムは、民主主義の根本的な問い直しから見えてくる!
目次
第1章 現代ポピュリズムの登場(ネオ・リベラリズムとともに生まれた現代ポピュリズム 民主党政権による政治主導 ほか)
第2章 ポピュリズムの歴史的起源(ポピュリズムの「意味」とは 否定の神学としてのポピュリズム ほか)
第3章 議会制民主主義の危機(社会を代表しない政治家とは 低下する政治への信頼 ほか)
第4章 政治的カリスマのリーダーシップ(リーダーはどのように登場するか 旧約聖書に表れるリーダーシップ ほか)
第5章 ポピュリズム・デモクラシーと「情念」の回復(ポピュリズムのロジックとステップ リベラル×デモクラシー ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
31
米大統領選候補者のトランプ氏をどう捉えたらよいのか。そんな疑問を氷解させてくれる良書でした。中曽根、レーガン、サッチャー。最近は仏サルコジ、伊ベルルスコーニ、そして小泉純一郎と多くのポピュリストの手法や背景を丁寧に分析しています。一貫した思考の欠如、知的な凡庸さ、攻撃性などは現代社会の特徴で、むしろ彼らは社会そのものを「表現」する政治家だから人気を集めるとのエマニエルトッドの指摘に思わず首肯。反グローバリズム、「ここではないどこか」という故郷の提示に、惑わされないようにする必要性を再認識しました。2016/08/31
白義
16
民主主義社会においてポピュリズムを論じるというのは困難が極まる。民主主義が民衆による統治をその重要な要素にする以上、ポピュリズムとは民主主義の本質にも実は近しい現象と捉えざるをえないからだ。本書はサルコジなどに代表される現代の現象としてのポピュリズムに留まらずポピュリズムの思想史、概念分析にまで踏み込んで現状を整理しようとしていて議論の出発点として極めて有益なもの。現象としての現代ポピュリズムは、現代の政治の閉塞感を肥大化した行政機能や利権を敵と名指し、民衆の熱狂的支持をテコにして改革しようとするのが特徴2017/07/13
hwconsa1219
6
この本が新聞の書評欄で取り上げられた数年前から読みたいと思っていたものの、今まで延ばし延ばしにし、そしてやはり早めに読んでおけばと後悔しました。取り上げられた政治家は、ベルルスコーニ、サルコジ、サッチャー、中曽根や橋本龍太郎、そして小泉までですが、「ポピュリズム」という言葉の定義やメカニズムを明らかにしています。一番心に(続く)2015/09/22
みっけん
6
ポピュリズムのダイナミズムを補助線に民主主義を捉えなおそうとする本。そのためポピュリズムを安易に否定も肯定もしない。民主主義が成熟してしまった現代において、ポピュリズムはある種の必然の動きとの分析は痛快であった。また、否定されがちなポピュリズムを「民主主義の不均衡を是正する自己回復運動」のようなものと位置づける試みは率直に新鮮だった。終盤では、ポピュリズムの可能性として参加型民主主義ととの協定が提起され、示唆に富む一冊だった。2012/02/15
void
5
【★★★★☆】虐げられた「人々」がエリートなどに反旗を翻すネガティブでアンチの性格故に過渡的であり、「自分たちできめる」という本来の意味からしてデモクラシーと切り離せない「ポピュリズム」。左派も右派も使う流動性があり、人民を代表しているだの大衆迎合だの良いように使われている言葉であることを押さえ、(帰納法的に)実情を振り返りつつ概念の明確化・良し悪しを把握し、熟議=参加デモクラシーに代表されるよりよいデモクラシーに役立てる。まとまりには少し欠くけど、重要事項は何度も確認入れながら進めていくのは吉。2012/10/09
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