内容説明
落語専門誌「季刊落語」の編集部に配属された当初は大いに困惑した間宮緑だったが、徐々に馴染み、牧大路編集長との掛け合いも板についてきた。前座を卒業、そろそろ二つ目編集者というところか。総員二名の編集部には、なぜかしら校了前の忙しい時を狙ったように落語がらみの騒動が持ち込まれる。過去幾度も名探偵の横顔を見せてきた牧だが、平素は携帯電話の電源も入れずに寄席を回るばかり、仕事はそっちのけで全く当てにならない。そのあおりで緑のサービス残業と休日出勤は着実に増えていく。そして、山と積まれたゲラを前にした今日も……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
86
【落語】シリーズ第3弾。「季刊落語」の2人が、今回は落語界で起こる日常の謎を解く5作の短編集。噺を現実の事件に置き換える巧みな技の冴えは、素晴らしく自然な感じが良い。そして物語のオチは、噺のサゲに通じるものが在るのだろうか、特に大倉氏の物語は読後感爽やかさだ。高座での噺から始まって、謎と噺のネタが関係してくるパターンが、落語ミステリというひとつのスタイルを作り上げたと思う。緑の成長もしっかりと見せてくれていて、お決まりのパターンなのに全く飽きない。これだからミステリは止められない、落語家の名人芸に通じる。2020/08/25
takaC
86
未読だと思って読んだら、未読なのは『七度狐』だった。シリーズ3作目だけど順番に読まなくても概ね問題ないから、まあ、いいか。(読んでないから言えるのかも)2016/01/02
aoringo
83
シリーズ二作目。落語にまつわる人の死なないミステリー。たった二人しかいない雑誌編集者コンビが推理を巡らす。様々な落語が重要な鍵となっているが落語を知らなくても大丈夫。読み終わると寄席に行って生の高座を聴きたくなる。とりあえずは本を読んで気分を高めよう。2023/09/23
五右衛門
60
読了。このコンビのシリーズ面白いです。終盤緑くんが牧さんのトリックに気付き成長を見せました。(私はうっすら気づきましたけど)更に落語のネタに沿って謎解きしていきどの短編もスッキリしました。終わっちゃったのかな?続編希望です。オチケンシリーズも行きまーす🎵2019/10/30
kazu@十五夜読書会
50
落語シリーズ第三弾。 緑は「季刊落語」編集部に配属され落語漬けの毎日、馴染んできた牧編集長&間宮緑コンビ、「死神にやられた」との師匠のメッセージに首をひねるコンビ、師弟と兄弟弟子の愛「やさしい死神」。物足りない芸ゆえに先行きを危ぶまれていた噺家2人が急に上達する「無口な噺家」、牧の先輩元名物編集長の安楽椅子探偵譚「幻の婚礼」、携帯事件から始まる謎にコンビの張り込み、落語ネタ・本格ミステリ主力「へそを曲げた噺家」、「紙切り騒動」では、緑が単独探偵行で独り立ち!続編が無く?『オチケンシリーズ』へ2013/05/04
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