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内容説明
蒋介石ほど日本に深いかかわりをもった世界の指導者はいない。新潟での兵営生活、孫文の代理としての訪日、渋沢栄一との出会い――青年期の四年にわたる日本滞在と頻繁な往来は、彼をして、「日本の民族性を愛している。日本は私の第二の故郷である」と言わしめるほどであった。誰よりも日中の友好協力を切望していた蒋介石が、なぜ抗日戦に突入し、中共との内戦に敗れ、台湾へと退去せねばならなかったのか。蒋介石の思想と行動そして日本人への親愛の情を、彼を支えた三人の女性との関わりに光を当てて描く。
目次
第1章 生い立ちと日本留学(浙江省渓口鎮 ドーリットル日本初空襲の余波 ほか)<br/>第2章 革命の炎(故郷で奮戦 「上海の一〇年」 ほか)<br/>第3章 西安事件(正月の明暗 満蒙問題 ほか)<br/>第4章 日中戦争から太平洋戦争へ(平和外交の挫折 第二次国共合作 ほか)<br/>第5章 本土をあとに(国共内戦と米国 本土をあとに ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rytryt
1
日中近現代史、蒋介石のこと、日本と台湾の関係など、概観できます。台湾旅行に行かれる方には、せっかくならどうですか、とお勧めしたくなる感じです。 2023/11/23
michi
1
台湾のこと何にも知らなかったので、読み進める上で慣れない中国の地名や人名に苦労しました。勉強不足でした。蒋介石と日本の関係のみならず、彼が行ってきた一連の出来事の流れがまとまっているように思います。余程頭の良い人格者だったのでしょう。後妻の宋美齢のキレっぷりも興味を引くところ。戦時中は多くの犠牲を払い、それでも今親日である台湾にはもっと感謝しないといけないなと強く感じました。2017/05/05
よし
1
かなり蒋介石寄りなスタンスが目立つ本書だが、それを割り引いても蒋介石が優れた人格と戦略を持っていたことが理解できる。日本軍閥に何度煮え湯を飲まされても、(終戦後の「以徳報怨」演説に代表されるように)親日姿勢を崩すことはなかった。中国本土での戦いに敗れ、台湾に退いたことは、為政者としては忸怩たる思いがあっただろうが、台湾の発展に寄与する機会があったことを「神の恩寵である」と捉え、感謝したというエピソードはとても胸を打った。2014/02/28
鈴木貴博
0
蒋介石は二十代前半の青年期に東京、高田で約四年の留学生活を送り、その後も様々な立場、理由で度々往来し、多くの出会いを得、交誼を結んだ。蒋介石の生涯を、日本を愛した蒋介石、という観点から描く。蒋介石贔屓の向きの濃い筆致だが、確かに”以徳報怨”の言葉に象徴される戦後処理の様々な対応における日本と日本人を理解し思いやった言動はこの人ならではのものであり、日本人としてはやはり忘れてはならないことであろう。そして現在に至る歴史に思いを馳せる。2018/03/05




