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内容説明
百年以上も前に、ピラミッドをバックネット代りに試合をしたアルバート・スポルディングの世界一周興行。塁間九十フィートを決めたアレグザンダー・カートライト。その距離が、盗塁や併殺のクロスプレイをうみだしてきた……。ベースボールの起源をたどり、詩との同一性を見出す鮮烈な名篇。「ただ一個の白いボールが、この本全体なのである」。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こきよ
67
人間とは(特にキリスト教世界では顕著か)何処かあからさまな快楽を忌み嫌う習性があるのだが、ベースボールとはコミットするという意味において正に快楽の集合体。投げる或いは振り回す動きは本能的な衝動。祭祀的な意味合いの強いフットボールとの普及の差はその辺りにあるのであろうか。2015/04/19
秋 眉雄
13
『司祭が長い祈りのあと、台上のボールを標的に向ってつよく打つ。ひと振り人生を生きていたというべきこの古代の打者は、やがて、農民の労働意欲を大いに左右する打撃の結果の重大さに悩みはじめたのか、夜中にひそかに練習をはじめることになった。』野球という遊びが何を表そうとしているのか。なにが立ち現れては立ち去るのか。思いも寄らない視点と起源。実に興味深い詩的で知的な論考でした。野球に興味が無くても面白い一冊だと思います。日本のプロ野球にまったく触れていないのも、とっても良いなと思いました。2018/07/01
どらがあんこ
8
線形ではなく、一章で取り上げられたように円、球に象徴される形で進む論考は、ある接点で発火するポイントがある。それは単なるこじつけではない。凝固することなくテクストは広がりを見せているからだ。そんな風にthrowでなく、pitchされたこの書物は打撃論の色を帯びている。心地よい本。2019/07/30
gu
7
「かくして、この地上で、ベースボールのフィールドでない場所はどこにもない、と断言することができる」。キンセラの小説でも似たような台詞があったのを覚えている。反発(分離、別離?)と合一が絶えず移り変わる(あるいは同時にある)のが野球だと解釈した。ボールを打ちたい(投げたい)という欲求を意識するようになった。2011/03/25
鷹図
6
ベースボールと一見無縁に思える事物が、詩的な想像力と言葉で結ばれてゆく。その不思議な符合は、かつての少年たちを野原へと誘い、解き放つ。投じよ。打撃せよ。「この地上で、ベースボールのフィールドでない場所はどこにもない」のだ。地球という巨大な白球であり、広大無辺なダイヤモンドを、確かに駆け抜けた読書だった。これは奇跡的な名著。2011/06/15
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