内容説明
ギリシア神話の神々の名を冠した蝶が飛び交い、獰猛な肉食魚ピラーニャが蠢くアマゾン。少年時の夢叶い、いざ緑の魔境へ! トラップで虫採り、釣りに感激、蝶の標本を買い込む楽しい旅は、インディオ虐殺、金採掘人(ガリンペイロ)・ゴム採集人(セリンゲイロ)の過酷な生、自然破壊との出会いでもあった。虫好き仏文学者ならではの、軽妙にして奥深い名紀行。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
379
タイトルはアマゾン流域を踏査し、構造主義を生み出したレヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』にちなむ。終章では、奥本大三郎のレヴィ・ストロースへのオマージュが切々と語られている。本書はアマゾン河畔のノーバ・オリンダとオビドスを拠点とした探虫行を語るエッセイである。仮に虫に興味がないとしても、読み物として面白く、また時に思索的である。伊達にレヴィ・ストロースを持ち出しているわけではない。また、虫を軸としてはいるが、それは結局はアマゾンの(あるいは世界の)生態系に思いをいたすことになる。2021/08/28
katsubek
15
本年の読み納め。飄々とした書きぶりが楽しい。そして、そこここに生き物への深い愛情が感ぜられる。永遠の少年、奥本さんはホントにそういう人だ。2015/12/31
塩崎ツトム
11
アマゾニアでする昆虫採集という愉悦。そして過去に自分も読んだベイツやレヴィ=ストロースらの眼差しを、筆者もなぞっていく。アマゾニアの生物的多様性は、それを発見しようと求める人にだけ発見できる!2021/11/24
どらがあんこ
8
どんな素晴らしい幸福も飽きが来るとう言葉が尾を引く。ラスカサスの引用が繋がってくるのもよくわかりますね。2021/02/26
イソテルス
5
夜明け前に部屋へ響いてくる、砂金取りの船のエンジン音。なにげない場面だが、旅の雰囲気がよく伝わってくる。2016/01/11
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