内容説明
大正から昭和初頭にかけての激動の時代、ロンドン海軍軍縮条約締結、金本位制への転換や緊縮政策など、山積する難題に立ち向かった「ライオン宰相」。己の政治哲学にしたがい、謹厳実直さと正義感をもって難局を正面突破すべく、断固たる姿勢で政治に臨んだ浜口が感じるところを虚飾なく率直に書き綴る。新鮮な驚きと変革へのヒントに満ちた遺稿集。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまくま
8
国のために生き、国を思い死んだ男。篤志ゆえにぐっとくる言葉の重みがある。当時人生50年時代において教育の期間が長いとの指摘から人々の生き様が見えたり、東京駅での遭難からの復帰、銃に撃たれた感覚など我々が感じ得ないであろう体験についての記述もおもしろい。2020/01/22
ceskepivo
4
浜口の死去から1カ月もたたぬうちに、満州事変が勃発。彼が凶弾に倒れず、総理であったならば、その後の歴史が変わっていたかもしれない。人格の修養と短所の矯正に努力。政治の目的は、国民の物資的生活のみならず精神的生活の充実と説く。彼は、従来のパワーポリティクスを超える新たな国際秩序を追求し、ロンドン海軍軍縮条約をその重要な一環として考えていた。2025/02/08
tk2308
2
ケロッグブリアン協定締結時における不戦の決意、民心を振作して国民精神を旺盛ならしむことを首相として尽力した様が随感に書きつくされている。それにしてもアラフォーで大蔵次官とは。2022/09/18
YT
2
城山三郎「男子の本懐」で取り上げられている浜口雄幸が、その生い立ち、政治思想について「感想の湧くに随って」書いたもの。 政治のあるべき姿について述べた部分は今の政治家についてもよく言われる内容であり、政治というのは戦前から殆ど変っていないんだなと思わされる。 教育勅語、天皇について触れる部分は現代のイメージと大きく離れていて興味深い。 再読したい本。2015/04/15
霜村
2
控えめで大人しいながらも、実直に生きた濱口自身による回想録です。 前の方が言われてるように、確かに謙遜ばっかりで真意がなかなか伝わってこないのですが、それでも無口で知られる彼がよくぞここまで語ってくれたと思います。(もちろんもっと多くを語って欲しかったという欲もありますが。) 城山三郎の小説『男子の本懐』や、浜口の慕った若槻禮次郎の回顧録『古風庵回顧録』と合わせて読むと面白いかもしれません。
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