内容説明
自分で考えて根本がわからないと前へ進めないケンタくん。クラスで独りぼっちだったが、あるきっかけで「ずっと幸福で、生きてるだけで忙しい」毎日を経験し、次第に自信をつけていく――。勉強の本当の意味は?いちばん大切なことって?子供の気持ちで感じ、やさしい気持ちいっぱいで涙する自伝的小説三部作・全収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
11
初期のちくまプリマー新書に3分冊で収録されていた作品。ケンタくんという少年が小学校にあがる頃から高校を卒業するあたりまでが描かれる。といっても、そこは彼のこころの成長というものが描かれ、そして最後に(彼が社会人になった後に感じた)勉強するということはどういうことなのか、が示されているものだ。自分のこども時代を思い出しながら、ページを繰る手ももどかしく読み終えた。友達ができなかったケンタくんがいくつかのきっかけから多くの友達ができ、それからはっちゃけていく様子も楽しいが、こども時代は忘れたくないものだ。2023/08/12
はちくま
8
安定の橋本さん。今立ち止まっている子供が読んだら元気が出ると思う。ただ、これ、息子が大人になって関係性を改善できないまま、自分の書いた本だと読まされたら、お母さんキツいだろうなあ。このお母さんは、息子が可愛くなかったわけじゃなくて、多分真面目な努力家で、でも日常生活に疲れて余裕がなかったんだろうなあと思うから。2013/11/26
チンズ
7
久しぶりに一気に読んでしまった本です。どうしてなんだろう?なんでなんだろう?と疑問を抱いても、その疑問を大人伝えることもできなくて、また言ったとしても的く確な答えを返してくれる大人もいない。結局自分で考えて考えて・・・・を繰り返しているとある時ふっとわかったり、気がついたりすることがある。 読みながら自分の子供時代を思い出していました。 最終的な答えは自分で導きださなければ本当の答えにはなりえない。 これは是非多くの若者に読んでもらいたいと思う。 ラストの話もとても感動的で読後とてもさわやかな気分になった2011/12/29
くろいの
7
子供の心理とそして親の言動と心理も、リアルすぎる。すごい。ラストのクライマックスに少し泣いた。私も、小学校という狭い狭い世界がすべてで、毎日が精一杯でつらくてしょうがなかった頃の自分に、「大丈夫だから、そのまま歩いておいで」って言いたい。言ってあげたい。ありがとう、ありがとう橋本サン。 2011/07/02
さっちゃん
5
もう一度「子供」の頃の気持ちを味いたくて読んだ。そうだった、そうだった!こんな感じだった!自分の考えをうまく表現できないから無口でいると「黙っていちゃ分からない」と言われ、何かをするのにゆっくりじっくり考えていると「グズだ」と言われ。大人のペースと子供のペースは違うのよ。大人になった今、同じことを子供達に繰り返していることに気付けて本当に良かった。ケンタくん、ありがとうね。最後にホロリと泣ける本でした。2014/01/23




