内容説明
1985年、生まれて間もないメンフクロウのひなが、カリフォルニア工科大学のフクロウ研究室で保護された。翼の神経に障害があって野生には戻せないため、研究室の助手をつとめていたステイシーが、自宅で引き取ることに。冷蔵庫は餌のネズミでいっぱい、最愛の彼は逃げていく、いろいろな騒動に巻き込まれながらも、メンフクロウの珍しい生態が愛情深く描かれる。やがて彼女自身が重い病になり、生活がままならなくなるが――。本書は著者ステイシーと、ウェズリーと名づけられたフクロウとの19年間の心温まる交流の記録。型破りで奇妙な生活の中に、動物との愛情がひしひしと感じられる感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽけっとももんが
8
ふくろう可愛い、飼ってみたい、と思う人はぜひ読んでみて欲しい。きっと納得して諦められるから。群れず、生涯決めた伴侶と添い遂げるふくろうを飼うことは、彼らに人生を捧げる覚悟が必要だ。著者はまさにふくろうにプロポーズされ、それに応えている。正直、著者を守り餌を与えようとするウェズリー(交尾だってする)は怖い。裏切った途端、パニック映画に転ずるような危うさがある。飼われているふくろうすべてがここまで飼い主に忠誠を求めないだろうとは思うけれども。しかしウェズリーが雌だったら、どんな関係だったのだろう。2017/10/06
Moeko Matsuda
8
素晴らしかった。じんとして泣き過ぎて目が腫れてしまった! 生物と音楽をこよなく愛する女の子が、ひょんなことから放野不能のメンフクロウと暮らし始める。ひなの頃からずっと一緒に暮らしたウェズリーと心を交わしながら生きた19年の記録。生物学を学んだ人らしい豪胆さが笑いを誘い、軽快に読み進められるエッセイの中に、筆者とメンフクロウが交わし合う信頼と愛情の輝かしさが光る。優しさと寂しさが織り交ぜられた、本当に素晴らしい作品だった。原文(英語)でも読んでみたい!2015/01/08
run
8
とてもとても良かった。ウェズリーの賢さに笑ったり感動したり。フクロウがネズミしか食べないとは思わなかったし、冷凍じゃない場合は考えたことがなかったので驚いた。うちのセキセイにも爪切りを伝えてみよう。2014/05/09
yooou
8
☆☆☆☆★ メンフクロウと暮らした19年!二つの命が結びあった絆の強さに心打たれました。2012/05/06
こまったまこ
8
感動しました。作者のステイシーさんの人生が凄い。野生のフクロウを育てることは半端なく大変。そして責任重大。苦労の連続だけれど辛抱強く、深い愛情でウェズリーを育てる彼女は本当に素晴らしい。そうした彼女がウェズリーと心を通わしお互いの言語を理解し合っていくのが素敵でした。生物学の研究者でもある彼女の視点は時に専門的でありますが分かりやすく解説してあってとても興味深いです。波瀾万丈の彼女の人生がこれからも明るくなることをお祈りします。2011/07/04