集英社文庫<br> 鼓笛隊の襲来

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集英社文庫
鼓笛隊の襲来

  • 著者名:三崎亜記【著】
  • 価格 ¥385(本体¥350)
  • 集英社(2013/06発売)
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  • ISBN:9784087466621

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内容説明

赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が、勢力を拡大しながら列島に上陸する。直撃を恐れた住民は次々と避難を開始するが、「わたし」は義母とともに自宅で一夜を過ごすことにした。やがて響き始めたのは、心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲で…(『鼓笛隊の襲来』)。ふと紛れ込んだ不条理が、見慣れたはずの日常を鮮やかに塗り変えていく。著者の奇想が冴えわたる、驚異の傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

utinopoti27

127
赤道上に発生した最大勢力の鼓笛隊は、次第に勢力を増しながら、本土直撃のコースをとりつつあった。やがて心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲が近づいてくる・・。表題作ほか8編のパラレルワールドが収録された本書で、作者は『日常の中の不条理』を鮮やかに切り取ってみせます。そこには、DNAの塩基配列が一本異なるだけで、まるで別の生命体が現出するように、「世界の秩序」は異世界の多重構造で成り立っているという、哲学的な想念が垣間見えるのです。作者が構築するメタファーを読み解く想像力が、試されているのかもしれません。2019/03/11

新地学@児童書病発動中

120
アイディアの冴えが素晴らしい短編集。表題作では、本当に鼓笛隊が日本に襲来する。仮面をかぶることが合法化された社会の話もある。本物の象が、すべり台になる話では、その童話的にイメージに浸りきってしまった。アイディアだけではなく、情感がこめられているところが、三崎さんの小説の良さで、読んでいると切なさや懐かしさが胸の中に湧き上がる。おばあちゃんの優しい子守唄が聞こえてきそうな「鼓笛隊の襲来」が、一番気に入った。2016/09/04

遥かなる想い

114
ひどくリリカルな短編集である。 どこか不安定で危うげな世界を 丹念に描く。 日常の僅かな歪みから 物語を展開させていく 発想は新鮮で面白い。 どの短編も存在の不確かさを描く… 少し奇妙な短編集だった。2022/08/14

相田うえお

103
★★★☆☆19077 奇妙モチーフなのに、どの作品もメッセージ性がありました。① 台風みたいに鼓笛隊が来る?もう『文学は爆発だ!』だね② 自らの『記憶』とは果たして本当に確かな過去の事実なのか不安になる事ってない?③仕事で覆面がOKなのはレスラーと特撮ヒーローくらいだ!④ぞうさんの滑り台、まさか本物の像!⑤うなじにボタン(スイッチ)が付いた女性だって!⑥欠陥住宅、日によって階段の段数や部屋の数が変わる?⑦空中に浮かぶ都市かぁ。ラピュタだね。⑧存在してるのに誰も気付かない!キツイね。⑨電車が消滅した?2019/08/17

hiro

98
「となり町戦争」に続き、三崎亜紀2冊目。表題の「鼓笛隊の来襲」をはじめとした、シュールな小説の短編集。この短編集はSFなのかなと思って読んでいたが、どこかで似たような作品を読んだような気がしていて、「覆面社員」「突起型選択装置(ボタン)」を読み、それは昔読んだ星新一のショートショートの世界に近いものがあるように思え納得した。また、元地方公務員であった作者らしく、役所、役人がでてくる作品が多いのも特徴だ。この本についての好き嫌いは、読者によってはっきりする作品だと思う。2011/08/20

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