内容説明
かつては、どの(総合)大学にもあった「文学部」の存在が薄れつつある。いっぽう、文学部の内・周辺・隣接には、次々と新学部・新学科が誕生している。「総合人間学」「国際教養情報学」「文化構想学」「コミュニケーション学」「人間学」など、耳慣れない名称の学部・学科がふえている。「文学部」では、学生が集まらないのか? 文学部卒業は就職に不利なのか? 大学はどのように受験生を集めるのか? 学生・父兄は、大学に何を求めているのか? そもそも大学の役割とは? さまざまなアプローチから、「文系」大学の現状と未来を伝える。
目次
プロローグ
第1章 大学がつぶれる
第2章 変わっていく文学部
第3章 一変した大学の風景
第4章 生き残りをかけた大学の戦い
第5章 入試と今後の大学のあり方
第6章 「大学選び」を変える
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
7
大学の内部と塾業界の内部を両方経験したひとの本。2019/08/27
てながあしなが
2
タイトルに「文学部」とあったのでとりあえず読んでみた。しかし、このタイトルの話をするのは、本書の各章のうちの1つのみ。他は、大学の現状や問題に言及する。「最高学府はバカだらけ」などを読んだため、あまり目新しい収穫はなかったが、大学がシニア層を志向した制度を整え始めているというのは、なかなか面白い試みかなと。お互いの利害は一致してるし。2016/12/14
譲葉
2
文学部だけでない今の大学の現状について分かりやすく書いてある本です。高校のデータのためだけに上位大学に受けさせられるというのは自分の知り合いにもいました。大学も高校もいろいろと大変なことが分かります。2011/11/25
きくちゃん
1
数年前某大学の学園祭で手に取り、そのタイトルに惹かれて購入し、そのまま積ん読になってしまっていた本。タイトルに沿った問題提起が深くなされるのかと思って読んだが、それはほんの一部分であり、現在の大学とその周辺を取り巻く様々な教育の問題を総論的に述べていて分かり易い。 確かに現在の大学は今のオトナが知っている大学ではないのだろう。ひとつのテーマを少し深く勉強するにはこうした新書本が最適だと思う。テレビや新聞が報道する恣意的な情報を受動的に見ただけでは決して問題の本質を理解できない。 良い本を読みました。 2017/07/03
ぺんぺん草
1
概論。表題の文学部うんぬんに関しては一部でした。あるべき教育の理想と、学生を集めないと潰れる現実と、高校とか就職先とかの事情と思惑と、いろんなものと微妙なバランスでつながって大学ってあるのだなぁと思いました2014/12/26