内容説明
静脈産業――一般には聞き慣れない言葉であるが、自動車を生産して世に送り出すのが「動脈産業」なら、使用済みの自動車のエンジンや部品、鉄、アルミ、銅、プラスチックなどの産業資源を回収して、再生するのが「静脈産業」だ。いままで、使用済みの自動車は、スクラップやシュレッダーダストとして処理されるか、状態のよいものは海外に輸出されてきた。しかし、シュレッダーダストの処理問題や、海外に輸出したクルマが乗り潰され、野積みのまま放置され、環境を汚染していくさまをみた著者は心を痛める。部品があれば、まだまだ修理をして使えるクルマたち。そこで、廃車を解体し、部品としてあますところなく活用し、提供する事業を始める。いまでは、アフリカ・ケニアにも再生工場を建設し、技術を提供するなど、日本だけでなく、世界にも「限りある資源を有効利用する」というビジネスモデルを確立した経営者の理念と人生観とは。
目次
第1章 「静脈産業」の旗手とならん
第2章 時代が求める「静脈産業」
第3章 わが人生の軌跡
第4章 人を活かす経営
第5章 自動車リサイクルで地球を救う
第6章 見果てぬ夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nkmr48
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■Gr年商20億円を誇る自動車解体業を主業とする会宝産業創業者の著作。 ■3Rの中でもリユースに着目し、海外50カ国を超える業者を販売先に持ち自動車部品輸出中心に業績を拡大。現場に即した着眼点に刮目。 ■Pの関係上か、ナイジェリア等決して採算性の高いとは言えない販社進出案件や農業進出を理念重視の理由で片づけてしまっているが残念。解体業はリユース、リセールで廃棄物取扱業の中でも採算性の高い商売であり、事業性に迄言及した論旨を期待していたがその点やや残念。 ★★★☆☆2015/02/08
kinotti_
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志を感じた言葉。 「やらなければならないと確信しながら、何もしないのは卑怯である。」2011/03/24