内容説明
医者と患者は対等であるべきだ、というポリティカリー・コレクトな言説が、医者も患者も不幸にする。お医者さんはなぜ「偉い」のか? 「賢い」患者はなぜ損をするのか? 「全人的な医療」に隠された欺瞞とは? 「薬害」は本当に存在するのか? 意外な視点から、医療現場の対立構造を解きほぐす、快刀乱麻の一冊。
目次
第1章 医者と患者はなぜ対立するのか(人はなぜ対立するのか;言葉の「正しさ」について;患者か、患者様か ほか)
第2章 医療業界に見られる対立構造(基礎研究者VS臨床研究者;量的研究VS質的研究;リサーチ・クエスチョンか、研究方法か ほか)
第3章 医療は何を目指すべきなのか(わかりにくくなった医療の目標;ダブル・バインドなマスメディア;価値交渉で好悪のバイアスから自由になる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遅筆堂
25
良かったですよ。対立と対話の構造、よく判りました。毎日、相談業務をやっているのでこの構造、リアルに感じている。医療を例にして語っているが、教育でも家庭でも人間関係が存在するところの永遠の課題だ。正論を振りかざすだけではなく、賢く生きるすべを語る。全体的に理路整然として、素人でもすんなりと頭の中で整理がついてくる。昨年、受けた傾聴体得講座でも似たようなことを言っていたな。みんなに読んで貰いたい書籍だ。2011/02/09
ATS
9
★☆☆筆者の随筆(感想文)ですね。前半は医療の世界は不確実だから医療者も患者もそういうことを意識しておくことが大切だよ。あんまり熱くなってもどうにもならんこともあるよみたいな感じです。後半は医療の説明というか概観を述べた感じですが、広く浅くといった感じです。私はとくに目新しいこともなく途中で飽きちゃいましたが、初学者にはいろいろ学ぶこともあるかもしれません。2018/04/27
naji
7
【図書館本】前提として決められている事に懐疑的であり、「患者と医者は平等」とか「患者中心の医療」といった耳触りの良い、でも何となくしっくりこないキーワードとかスローガンに流されないこと!!自分の頭で考え、そしてちょっと視点を変えてみることが大切だと述べてある。また、著書の中で語られる『お医者さんごっこ』とは、つまり自分の視点や感じ方や振る舞いを変えることである。医師も、患者も自分自身が得をする為に、上手に振る舞いましょうってことなのかな…。2014/06/21
yuka_tetsuya
4
アメリカ的な二項対立の議論の不毛さを、医学の様々な場面で構造構成主義的な手法で解説している。不完全で、数字では割り切れない生命を扱う現場では、好き嫌いと正邪を混同しない半歩下がった、「お医者さんごっこ」という大人の対応が大事であるという主張はうなずかせるところがあった。日頃のもやもやを明快に解消してくれる、医療関係者にオススメの本。2015/07/26
和草(にこぐさ)
4
様々な患者さんが来院する中での診察。「時間がないのですが…」「お薬だけ処方して貰えませんか?」等要望はつきない。時間がないのはわかるけど、皆さん同じように待って頂いているので、特別扱いはできない。携わる身としては「お互い様」の精神で考えていければ上手くいくのでは…「お医者さんごっこ」はいいと思うんだけどな~。2015/06/26
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