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内容説明
リーマン・ショック後、日本を襲う急激な円高。輸出頼み、海外との価格競争では未曾有の不況を脱せない。構造改革論からデフレ論まで、経済政策の迷走を徹底批判。公共性の柔軟な解釈に基づく知的新機軸を打ち出す。国際問題や民主党政策など、2008~10年の社会事象を分析。
目次
序章 「国際競争力」という幻想
第1章 「経済」をめぐる迷走と論点
第2章 「国際関係」をめぐる迷走と論点
第3章 「民主党政権」の迷走と論点
第4章 「安心」をめぐる迷走と論点
第5章 「公共性」をめぐる迷走と論点
終章 論壇はどこに向かうのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
18
以前、経済学素人であるが、「経済学の名著30」から受けた印象として、この人の論考は大筋で正しい、又は王道を歩んでいるのではと感じている。第4章「公共性」、その中でも1自然、4人と人のつながりが制度化された社会関係資本、は筆者の主張の中心軸だろう。生物としての人間、つながりの中に生きる土着性といったものを無視して、経済学は語れないと言うことか。市場原理主義者の原点アダム・スミスは、「国富論」の後、南海バブル事件の反省から「道徳感情論」を著し、重商主義を批判し「同感」フェアネスという倫理を説いたと本書にある。2015/08/10
ceskepivo
8
小泉改革と民主党の経済政策を振り返る。民主党政権とは何だったのだろうか。自民党政権に対する反対から生まれた政権であった。そうであるならば、自民党が国民を失望させた点において、国民の期待に応えれば良かった。第一に政治に対する信頼の回復、第二に共同体が解体した後に浮遊する個人への対応、そして第三は国民に役立つ公共事業と有効な景気対策であった。しかし、マニフェストに固執するあまりに、現実から目をそむけた。ふ~。2015/04/22
isao_key
5
本書は「朝日新聞」と「中日新聞」で2008年以降に掲載されたエッセイを下地に編集された本。タイトルと内容がまったくミスマッチである上、副題もいい加減なつけ方だ。どこにも出てこない。もとよりエッセイということもあり、先に三橋貴明『中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!』や北野幸伯『プーチン最後の聖戦』を読んだ後なので、いかんせん内容が薄っぺらいという印象をぬぐえない。また、<(中国では)ネットは政府がほとんどコントロールできておらず、イデオロギーを超えた活発な発言の場になっている。>の記述もでたらめ。2012/09/30
Kentaro
2
食卓調査を通じた家族論で知られる岩村暢子は、クリスマスの飾り付けに熱中する主婦が家族の食事を手作りしなくなったという不思議な現象を紹介している。手作りは主婦にストレスを与えるという。 農学者の神門氏はこうした現象を食生活の乱れと呼ぶ。栄養バランスの良い日本食は失われ、嗜好性、習慣性が高い不健康な中食、加工食が蔓延した。 こうした食生活は安価な輸入食料によって実現したが、それが健康を害するなら、例え消費者が求めても反社会的な利益になってしまう。何のための貿易自由化なのか、今一度考え直すべきだと著者は語る。2018/04/26
yuko
1
リーマンショック後の日本経済を改めて振り返ることも意義があるかもしれないと思った1冊。2013/11/29