内容説明
錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
114
擬古調の文体と難漢字に大苦戦も(薄い本はこれだからゲフンゲフン)、情景描写と心理描写に俄然引き込まれ、これが本書もしくは著者の作風かと圧巻!頑張って読む価値あったと思いました。2025/07/04
あちゃくん
88
難解な文体に難儀したけど、文学を読んだなぁという満足感がありました。2015/12/29
優希
54
擬古文が美しいのが印象的です。宗教と神話、幻想の世界が光のように感じました。一瞬しか見えないものを詩のような語りで紡ぐのが心地良く、現実から離れたような世界に酔いました。2021/08/23
オカピー
52
「本心」「決壊」は読了しているが、本作品は初期の頃の作品で、グイグイ読み進められたが不思議な2編の物語であった。ルビもカタカナ、ひらがな、難解な漢字と様々。そこにとらわれ過ぎると本筋を見逃してしまうので、想像で読み進める。解説もそれぞれの作品の解説が別の人によって語られ、更にまとめのような別の方の解説もある。「決壊」「本心」とは雰囲気の全く違う作品であり、印象に残り、何かを感じる作品であった。う~~ん深い。2026/02/09
かみぶくろ
48
4.3/5.0 天才作家様の現世降臨作。新人のデビュー作としてずば抜けまくってると思いますね。これを持ち込まれた新潮編集者の驚きたるやですね。衒学的な擬古文調で書かれてるのに、めちゃくちゃ引き込まれます。読者と対話しているような文章に感じます。それしかないと思えるような正確で充実した表現が無限に連なっていくのも心地良く、場面(特に日蝕の)の劇的な描写も圧巻でした。どうやって勉強してるんでしょうね。いや、すごいっす。2024/08/11




