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内容説明
日本経済は1,200年以上前から、内向きな「ヤマヒコ」的価値観と、外向きな「ウミヒコ」的価値観のあいだを行き来してきた。
そして今、この国が繁栄を取り戻すには、どちらのベクトルに向かうべきか。
本書では、歴史を物差しにして「これからお金の向かう先=繁栄する場」を予測し、日本経済を活性化させるためのヒントを導き出していく。
目次
プロローグ 日本人の「ウミヒコ」と「ヤマヒコ」のDNAを探ろう
第1章 驚きながらお金と経済を取り入れた日本人―古代から中世の日本人とお金
第2章 覇者の後ろに「お金」があった―中世の政治権力は金融と結びつく
第3章 上に政策あれば、下に対策あり―官の強権と向き合う近世の庶民
第4章 今を形づくる、明治、昭和の残像―国と個人が向き合い続けた現代の金融史
第5章 日本史から読み解く未来のお金の物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめタンク
11
日本のお金は『外向き』と『内向き』の間をスイングする。本書はビジネスに役立つ日本史とあるように、日本史の中からビジネスに役立つ部分を凝縮して紹介しています。ウミヒコとは海外に出て革新的に事に望むこと、ヤマヒコとは内向きに内需や道路整備を行なう内向きな日本を総称した言葉です。日本は大昔からグローバルな環境に立たされていたこう聞くと驚きかもしれません。著書ではその「ウミヒコ」「ヤマヒコ」の両方の歴史を紹介しつつ、今後、日本が学べる提言が紹介されています。2011/01/04
ゆうきなかもと
10
ずっと読みたかった本。やっと読めた。面白い! 中国の存在感がここまで出てきたら、歴史法則上、日本も対外積極モードになって行くのだろうか…。 あと酒造りが盛んな地域は、醤油や味噌の製造も盛んになるのは知っていたが、金融業まで担うようになるパターンが多いことは知らなかった。とても面白いと思う。2019/07/01
謙信公
3
歴史は繰り返される。現代や過去を見つめ直すためにも、歴史を学ぶは必要だ。それを経済の面から、眺めていて面白い。経済観念を持った大岡越前や遠山の金さんの政策が、時の為政者に理解されずに埋もれてしまったエピソードは、印象的だ。お金を儲けることは、悪いことではない。それをどう使うかだ。2016/07/24
ask
2
民間企業で働いている上で、商売の歴史を知りたいと思い、読む。 ウミヒコ→グローバル的、ヤマヒコ→保護主義的。これを切り口にしつつ、時代を見ていく。 自分が興味をそそられたのは、江戸時代士農工商で金儲けが悪いとされていた商人たちが活動を自制する中で、商業倫理が確立されたことである。それによってか、定かではないが日本には何百年も続く老舗が多いらしい。現代では、金儲け、お金を稼げれば良いと言う人が多い。商売とは本来この江戸時代のように、商業倫理を大切にしてこそ、働く意義があるのではないかと私は考える。2018/08/31
芸術家くーまん843
2
・日本には陸で生活をする農耕民族の文化と、海で生活をして外に発展する海洋民族の文化がある。外と内の力を状況によって上手に使いこなす人が経済的な利益を得るし、その力を背景にして政治権力の争いに勝利する。・古代から海の向こうから新しい経済の動きがやってきている。・覇者の後ろに「お金」があった。中世の政治権力は金融と結びつく。・「見えない資産」の力を理解する。ビジネスでは、「インタンジブルアセット」(見えない資産)という言葉があり、最近注目されている。信用はコツコツと努力することでつくるしかない。・織田信長は天2013/01/22