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内容説明
警察の歴史をひもとくとき、今日のようなシステムが整うに到るまでには、その道筋は一筋縄ではいかなかった。そこには長い歴史が存在する。ヨーロッパにおける警察組織の発達過程は、王権や教会、都市といった様々な権力機構と不可分の関係にある。ヨーロッパ王朝史研究を専門とする著者が、各時代の独特な捜査法を紹介しつつ、ヨーロッパで近代警察が誕生するまでの背景、更には警察史を通じて見えてくる「新しいヨーロッパ史」を描き出す。【目次】序章 江戸の「警察」組織/第一章 古代ローマ「警察」制度/第二章 中世の「警察」制度/第三章 中世の都市の発展/第四章 嫌われるウィーン市警備隊/第五章 パリ「警察」の成立/第六章 警察大改革前のイギリス旧警察/第七章 「ありがたき警察」と警察国家/最終章 近代警察の誕生/あとがきにかえて
目次
序章 江戸の「警察」組織
第一章 古代ローマ「警察」制度
第二章 中世の「警察」制度
第三章 中世の都市の発展
第四章 嫌われるウィーン市警備隊
第五章 パリ「警察」の成立
第六章 警察大改革前のイギリス旧警察
第七章 「ありがたき警察」と警察国家
最終章 近代警察の誕生
あとがきにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
10
ハプスブルクの専門家が書き下ろす、西欧における近代警察(19世紀〜)の誕生までの道のり。新書にしては荷が重い課題(ふつうは語りきれない)なのだが、それでも、びっしりと情報を詰め込みつつ、軽妙な語り口と、よい切り口でエッセンスを集める。名著と思う。文章がうまい。2016/09/06
Saiid al-Halawi
5
近代的な警察の成立にあたって、警察権と司法権の分離の過程、自由都市の自治警察が中央集権的な国家警察にとって代わられるまでの歴史的変遷、この辺りがコアになってる。一番面白かったのは中世封建領主制の中での領主裁判権がかなりオイシイものだったということ。そらー手放したくないワケだ。2011/11/08
しっぽ
4
★★★★☆ 知識として入っていた方がいいと思ったので。軽くまとまっていて読みやすい。新書らしい新書。2020/03/17
爺
4
ローマ帝国崩壊後のゲルマン社会において、「窃盗よりも強盗の方が罪が軽い」「殺人後死体隠匿した者より、堂々と死体をさらしていた者の方が罪が軽い」。なぜなら、顔を曝して恨まれる可能性を正面から受け止めていて男らしいから。どんな世紀末覇王の思想だよ(笑)。2017/06/22
Mealla0v0
3
古代以来、確かに犯罪を取り締まる組織は存在していたが、それは行政や司法と一体化した、未分化なものだった。近世、絶対王政のもとで、初めて治安が国家の統治課題と認識され、近代的な意味での警察=治安維持機構が誕生した。本書では、古代~中世について前警察的組織を概観したのち、近代初期の英仏独各国の警察制度の整備を概観する。絶対主義が内政を安定させ、主権を確立させる手段としての警察を経て、経済自由主義のもとで、警察国家は相対化される。だが、この相対化の過程でパノプティコンが作動し始めることになる。ここが重要な点。2020/12/26
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