- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
19世紀の極めつきの名作から20世紀の逸品、そして現在まで、小説の読みどころ、味わい方を語る。トゥーサンやジャン・ルノワールの名翻訳家による「フランス小説美味礼讃」。
目次
1 恋する十九世紀小説(スタンダール語り下ろす―『パルムの僧院』 バルザック悶々―『谷間の百合』 ネルヴァルと女神―『東方紀行』 ほか)
2 二十世紀への架橋(夢うつつの詩学―ネルヴァルからプルーストへ 扉としての書物―ブルトンとネルヴァル)
3 フランス小説は、いま(「フランス語作家」としてのフォークナー BORIS VIVANT?―ヴィアンとフランス小説の現在 勝手に逃げろ!―ソレルスと現代小説のストラテジー ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
13
スタンダール「パルムの僧院」、バルザック「谷間の百合」、ネルヴァル「東方紀行」、モーパッサン「べラミ」19世紀の男女の恋愛が描かれたフランス文学から始まり、20世紀初めのプルースト、ブルトン、そして20世紀末のヴィアン、ソレルス、ウェルベックへと続くフランス文学の変遷を紹介する文学書です。フランス文学者で翻訳者の作者は作品の本文を紹介しつつ各作家、作品の読みどころを解説しています。2023/09/27
うた
10
パルムの僧院とフランスにおけるフォークナーについてのみ読了。やっぱりパルムの中心人物であり、最も魅力的なのはサンセヴェリナ夫人ですよね。アンナ・カレーニナとはまた別に記憶に残る毅然とした女性像。書名は扉となっていますが、基本的に取り上げられた作品を読まないと、魅力はわからないかもしれません。2020/11/21
Hepatica nobilis
1
野崎歓のチョイスはちょっとひねりがある。スタンダールなら赤と黒よりパルムの僧院、ネルヴァルなら東方紀行というように。が、この人の評論は良い意味で素人っぽく、楽しさを前提にしているので、純粋に楽しめる。2010/12/12
さぼ
0
② 終始内在的で高級なファンブックみたいな本。各章毎の作品を読んでから読まないと辛いなという感想。2016/01/24
七草奈々子
0
お手軽なフランス文学案内。フォークナーの章とウェルベックの章がとりわけ分かりやすくかつ面白く纏まっていてよかった。2021/04/05