内容説明
「私は墓場まで持っていかない。隠し立てせずにありのままを書く」。冷戦終結、湾岸戦争、バブル崩壊……。時代の大きな転換点にあって、次々と押し寄せる難局に、首相としていかに立ち向かったのか。自民党、新進党、自由党で三度も組んだ小沢一郎とは何物なのか。政治の師・三木武夫元総理の遺志を継ぎ、クリーンな政治を目指して「金権」と闘い続けた五十年。戦後政治の光と影を知る、首相経験者による前代未聞の証言。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
35
著者の回顧録はできるだけ自分の知ってることを話そうとする姿勢が感じられた。それにしても小沢一郎って昔からあまりかわってないんだなと思った。2012/05/14
Willie the Wildcat
23
政治家、首相としての資質。政界スキャンダルの下、湾岸戦争、ベルリンの壁崩壊、バブル崩壊といった荒波に直面。派閥の力学での苦闘。そんな中で、国際貢献のあり方や、政治改革を目指した姿勢は評価。一方、残念だが本著では、氏の目指す国家像や、氏の根底に持つ(であろう)国家観が読み取れない。付け加えて、昨今”流行”の離党・復党。イデオロギーが問われる・・・。蛇足だが、45年間にわたる戦後復興の世界銀行への借入金。恩を報いなければ、義がたたないと再認識。2013/03/18
ほうすう
13
政治家の、しかも一国の首相の回顧録としては薄い気もする。全体的に広く軽くといった印象でもう少し踏み込んでほしいと思うところで話が切り替わってしまうところはいささか残念。小沢一郎への嫌悪感、というか不信感のようなものは強く感じられた。2022/02/28
佐島楓
13
海部元総理の回顧録。金権政治や派閥に関しては結局民主党政権になっても変わっていないイメージ。そして田中元総理の下にいた「壊し屋」小沢氏の海部さんなりに受けた印象が興味深い。2012/05/01
calaf
12
海部元首相。懐かしい人という感じ。私に取っては、田中角栄さんや金丸信さんというのは名前しか知らない部類の人に入り、中曽根氏あたりから名前と顔とが一致するのですが、後者の中でも古い人の部類ですね。そうか、この人の時代に今の天皇の即位の礼があり、アメリカはイランを攻撃したのか...2013/03/01