内容説明
『楢山節考』で登場し、文壇に大きな衝撃を与えた深沢七郎。『笛吹川』『言わなければよかったのに日記』など、独特の世界で知られる作家の作品コレクション。「流」の巻は小説を中心に収録。「東北の神武たち」「揺れる家」「千秋楽」「女形」「流転の記」「みちのくの人形たち」。解説・戌井昭人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
海恵 ふきる
8
まずモチーフが好み。土俗的なムラ社会、訳ありの家庭、エノケン・ロッパが出てきそうな時代のショー小屋。深沢は何事にも特に評価を下しはしない。たとえワイドショーを騒がせそうな題材であってもその超然とした姿勢を崩すことはない。登場人物たちが生きる世界における現実をただ淡々と描写していく。そのある種の無関心さが、独特な読み心地の良さに繋がっているのではないか。あまり世間の常識に囚われることのなさそうなブッ飛んだひとに、このひとは自分を含め何事にもさして興味がないのだろうなと気安さを覚えることがあるが、そんな感覚。2023/12/19
たつや
3
偶然図書館で見つけたが面白かったです。田舎の描き方がエグい。口減らしで息をする前の子を水に沈めて殺すは楢山節考にも通じる?父が嫁と駆け落ちとか実際あったんだろうな。村上春樹と百八十度別世界が逆に新鮮!2021/12/05
志田健治
1
「千秋楽」の何とも言えない人間味、いや、人間らしさなどひとつもないのかもしれない。これは無常感なんだろうなぁ。ドラマもないのだが、読むのをやめられない。これが平和の文学というものか。 「みちのくの人形たち」にはやられた。描写も展開も大好き。これは誰にも教えたくない名作だ。
泥岳
0
凄まじい文学を見た。終盤の疾走感。2016/08/29
Brenda
0
たとえば「千秋楽」。大部屋のヤニっぽい壁の色とか、化粧品からラーメンの汁気までまざりあった独特のにおいとか、全部読み手の私が勝手に想像したことなんだけど、雑多?混沌?猥雑?な生々しさが立ち上る。言葉の密度の濃さといったら。どの作品にもある陰と寂しさが、なんだかたまらない。2013/11/11
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