内容説明
演奏会でプロのピアニストを陰で支える調律師の仕事を初公開。F1マシンを整備するがごとく、一人ひとりのピアニストにあわせて名器スタインウェイを最高の状態に仕上げる職人の技とは。ジャンルを超えたピアノの世界、コンサートの楽しみ方を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
315
著者は調律のプロフェッショナルだが、その領域を遥かに超えて、ピアノ音楽を中心とした総合音楽プロデューサーとでもいうべき人。ピアノの歴史からピアノの構造、果ては演奏会から録音をめぐる様々まで、網羅的にでありながら実にコンパクトにわかりやすくまとめられている。ただ、著者がスタインウェイを偏愛するために、それ以外のピアノは登場しないのだが、世界のピアニストの大半がコンサートでスタインウェイを弾くのも納得といったところ。「うまい」ピアニズムの限界、再現芸術として「音楽」を奏でてゆくピアノ、など興味は尽きない。2017/03/08
metoo
64
国内産ピアノメーカーの知的財産の仕事に携わる私にとって、スタインウェイ社のピアノに特化した本書は非常に興味深い。スタインウェイ社は100以上の特許取得し1920年にはほぼ現在のスタイルが完成され、特許期限切れ以降、各ピアノメーカーがその設計を採用した。そしてこの著者は「ピアノ運搬台車」の特許権者である。持ち歩くことの出来ないピアノをピアニスト専用に予め調律し、この台車に載せて会場に搬入するという画期的なアイデアだ。著者の調律に賭ける情熱とピアニスト愛から生み出された特許だ。2017/03/30
あやの
39
まず、タカギクラヴィア(株)が「会場へのピアノ持ち込み~調律~メンテ」を全部やっている会社だということを知り、驚いた。そして筆者(社長)が調律師としてものすごい信念とプライドのもと、最高のピアノを提供していることに、今までの調律師のイメージが覆された。その持論は日本のクラシック音楽のありかたにも及び、様々な面において憂慮なさっていることが分かる。但し本書は2010年発行なので、現在は当時と状況が大分変わっている。今のピアノ業界をどう見ているかも聞いてみたいと思う。2023/12/19
kuma suke
10
ピアニストも当然、自分のピアノを持っているわけで、いつも弾いている楽器で本番もできたら、理想的なのかもしれない。スタインウェイなど、良い楽器なら当然良い音が出るもんだと思っていたけど、違うんだなぁ。ピアノも生きているのだぁ。2017/05/13
ヤマセミ
9
面白いエピソード満載でした。調律はピアノの調整の最終段階で、その前に部品の働きを整える整調、音色をつくる整音がある。一般家庭の調律、コンサートチューナー、レコーディングエンジニアと、調律師の仕事の違い。クラシックとジャズの録音の仕方の違い。ピアノは振動に強く、湿度温度変化に弱い・・・etc。2017/06/04
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