内容説明
先の見えない時代、私たちはみなそれぞれの形で深い問いを抱えている―「どう生きたらよいのか」。そんないまこそ、哲学にできることがある!単に知識を得るだけではなく、一人ひとりが哲学するやり方とセンスを磨くことのできる、日常を生き抜くための哲学入門講義。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
42
【真理鉱山2】数学/物理学の哲学的な位置づけをおさらいしておこうとパラパラめくっていたら面白くなって通読してしまった。たいへんわかりやすい講義形式の哲学入門。著者の立場は明確で「(深く原理的に考えることによって普遍性のある答えを出すことに懐疑的な)現代哲学に対抗する気持ちで書いた」(現代哲学とは分析哲学やポストモダン思想を指す)。2つのパートから成り、一つがプラトンとデカルトから筆を起こし、カント、フッサール、ハイデガーと続く超越論的哲学、そして現象学の紹介をする哲学史パート。もう一つ、「納得した↓2021/02/03
ももたろう
30
再再再読。本書は難解な哲学に挑む前の予習本として重宝する。今回はカント。主客一致の難問に対するカントの答え。この世は我々の主観とは無関係に客観的に存在するのか。それとも、ただ主観あるのみなのか。カントの結論はシンプルで「主観の内部に客観はある」とした。「私にとっての世界(主観)」の内部に、認識を形作る共通な秩序があるとみなし、それがあるから他者と共有しうる秩序がある、とみなした。ヒュームみたく「ただ主観があるのみ!」というと他者と何かを共有することはできない。カントは他者を想定しているとこが良いと思った。2017/02/02
ほし
15
再読。わかりやすくて、地に足がついていて、筆者の熱い思いが伝わってくる、そんな一冊です。本当に良い本だと思います。共通の世界像が失われ、明確な生きる意味が見出しづらい現代において、人それぞれ違うのだから分かり合う術などないというニヒリズム、相対主義に陥らずに、哲学的態度で語り合うことで互いの生のあり方に橋をかける。そして互いに新しい物語を編み直していく。そのような筆者の主張は、決して夢物語ではないと思います。読みながら、やっぱりこの本良いなぁと再確認し、思わず筆者の新しい著書も買ってしまいました。2020/05/12
ichiro-k
14
泥酔状態と同様に縞模様に理解。一部に説教口調あり。結論までに飛躍あり。もしかしてあの団体の信者の異臭?気になった箇所⇒頽落(タイラク):絶えず語り合うことは多数意見に同調し、誰かの意見を受け売りしたり吹聴したりする「空談」が支配的になってしまう。そこでは、疑問を抱いたり物事を真正に了解しようとする態度は抑圧されて、もっぱら新しいものをみつけようとする「好奇心」ばかりはびこることになる。2010/11/13
ATS
9
★★☆5章までは非常に面白く読めたが、そこから先(各論)はあまり興味関心が持てず斜め読み。平易に書いてくれており読みやすい。『哲学とは、だれもが深く納得しうるような考えを求めようとする努力』(P39)と単純明快である。また、それは唯一の正解があるといったものではなく、『互いに共有しうる次元はどこか、と問おうとする』(P72)など現実的で実用的だと思う。世の中の対立ってつき詰めると妥結が大切だと思うので。また5章における国家や法律についても面白かったが、分かりやすいのは、以前読んだ『大人の道徳』かな。2018/09/15
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