内容説明
あなたの周りのラーメンがどこも同じに感じることはありませんか? とんこつが流行れば、とんこつ。そして、塩、味噌、つけめん。 新横浜ラーメン博物館館長が語る、ラーメン文化の危機とは? さらに館長はラーメン文化の再生には、それぞれの土地の風土から生まれた郷土料理としての「郷土ラーメン」を見直すことがカギとなると言います。地方の超有名店の誘致秘話や幻の店復活プロジェックト裏話から、ラーメンの未来予想とラーメンの海外進出まで。
目次
プロローグ
第1章 「ラーメン博物館」をつくった目的は「郷土ラーメンの普及」
第2章 ラーメンのブームの功罪
第3章 郷土ラーメンの礎をつくった店たち―
第4章 郷土ラーメンが成立した経緯と発展の条件
第5章 郷土ラーメンの礎をつくった店たち―
第6章 郷土ラーメンが危機にある
第7章 郷土ラーメンを発展させる人たち
第8章 ラーメンの未来はどこへ行くのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
9
ラーメンがなくなる日といってもラーメン自体ではなくご郷土ラーメンの話で、しかもそれすらも「なくなることの危惧」は一割程度、後は新横浜ラーメン博物館館長としてとにかく好きな郷土ラーメンについて延々語るだけ、という清々しいまでに好事家精神に溢れた一冊。情報化社会が食文化の均質化やローカル性を無視した流行を生むかもしれないね、程度でタイトルの話を済ませて、後は各郷土ラーメンの歴史や地法の特色にそれがいかに合っているかを語り、ついでに新横浜ラーメン博物館と名店の関わりを盛大に自慢している。こういうのでいいんだよ感2019/01/11
かめかめ
0
タイトルの意味は「ラーメン」がこの世からなくなることではありません。 郷土ラーメンがピンチだということが書かれています。 個人的には、それほど心配しなくてもいいと思いますが・・・・2010/12/02
ISBN vs ASIN vs OPAC
0
郷土ラーメン、というよく言えば幻想、悪く言えば欺瞞に満ちた言葉を前提にするのは、ラーメン博物館の館長が書いているのだからしょうがないと言えばしょうがないのだろうが、凄まじいのは本文中に「支那そば」という文字列が一つもないこと。写真などでは見受けられるのだが……主婦の友社独特の倫理規定があるのでなく、意図的なものだったとしたら、広告屋の本性っちゅうのは変わらんのだなあ、と賞賛のため息をつかざるを得ない。おれ明日からキャバ嬢の盛り髪とおっさんのしおれた背中で出汁をとった新宿ラーメンやるわ!2012/12/16
ズボイミ半魚人
0
「なくなる日」シリーズ2冊目。パチンコと同様、悲観論でもべき論でもない、ラーメンの歴史を簡単に紐解く内容。最後部分で「ラーメンがなくなる日など来ない」と明言しており、将来をポジティブに予測し締めくくられている。悲観論として筆者が問題視している、情報化と消費者の味覚高度化による『ラーメンの均一化』については成程確かにと思うところがあった。ここで霊的な引用をひとつ。「同じ規格品で構成されたシステムは、どこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。組織も人も、特殊化の果てにあるのは緩やかな死…それだけよ。」2011/03/24