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内容説明
サツマイモが琉球へ伝わってきたのはいまから400年ほど前、江戸時代のはじめのころ。栄養価が高く、痩せた土地でも容易に育つため、日本各地へ急速に栽培が広まっていく。江戸の飢饉から人々を救ったのもこの芋で、甘藷、唐芋、琉球芋、孝行芋……とさまざまな呼び名で呼ばれるサツマイモは、日本の民衆にとって、ジャガイモと並ぶ「お助けイモ」だった。日本の各地にサツマイモにまつわる寺社が多数建てられていることは、そうしたことの証であり、民衆の感謝の現れであろう。そのように考えた著者は、日本の各地へ、「サツマイモ物語」を求めて、取材旅行に出る。この本は、こうして明らかとなった、サツマイモをめぐるさまざまな足跡を掘り起こす。そして現在も、町おこしの中心作物として栽培され、空爆が続くアフガニスタンの農業支援の中心であり、未来の宇宙ステーションでの宇宙食メニューのエースとして注目されていることを見つける。
目次
第1章 戦場のサツマイモ
第2章 銃後では
第3章 サツマイモの来た道
第4章 神になった日本人
第5章 カライモのセン
第6章 出・天草
第7章 「サツマイモ」VS「ジャガイモ」
第8章 労研饅頭
第9章 こんな出稼ぎもあった
第10章 町おこし、まちづくり
終章 サツマイモの行く道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
19
新大陸から来た作物の中ではサツマイモは特に日本に馴染んでいるというか、何かこうもっと昔から日本に土着してた感があった。この本にて救荒作物としての普及に数多くの人々が心血を注いで来た歴史を知り、その感を理解できた。2022/01/17
Humbaba
3
サツマイモは栄養価が高く,荒れた土地であっても栽培可能である.日本に伝来してきて400年だが,その間に果たした効果は非常に凄いものだった.それは,欧州におけるじゃがいもと同じような価値があるものであったと言える.2010/11/28
メロン泥棒
3
サツマイモ関連の話を新書1冊分寄せ集めただけという感じでイマイチ。ちょっとした雑学的な面白さはあったが。特にサツマイモを宇宙食にする計画は興味深かった。他には、若者よりも年寄り、東日本よりも西日本の方が「イモ」といえば「サツマイモ」をイメージする率が高いという話も面白い。雑学に徹するか、体系的にまとめてくれるかすればもっと印象も違ったのだが。2010/10/18
belier
1
「ジャガイモの世界史」が面白かったから、サツマイモはどうかと思って同著者の本を読んだ。こちらは日本に特化している。著者は各地を取材して書いているが、残念ながらこの本は前作より内容が薄いように思う。とはいえ、サツマイモに関連するマイナーではあるが、新しく史実を知ることは楽しい。また水俣や石牟礼道子の話題に触れた章やペシャワール会についての章は、前々から関心がある話題なのでサツマイモに絡めて知識を深められてよかった。2025/02/06
decuno
1
微妙。さつまいもの話じゃなくて時代時代の人がさつまいとどのように接ししてきたかみたいな話ばっかで微妙だった。2012/03/05