願い

著者名：藤野千夜【著】

講談社（2013/09発売）

• ISBN：9784062165099

内容説明

ささやかでいい。叶ってさえくれれば――。可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、９つの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ベイマックス]

9つの短編集。評価するなら、日常のなにげない風景や生活が描かれている。批判するなら、もう少し波乱万丈とまではいかなくとも、人の心の闇や生活の中に起こるかもしれない非日常を描いてほしい。

2024/06/15

[kei302]

2010年に出た短編集。9話収録。「散骨と密葬」70代の新平英子夫婦、『じい散歩』とは若干設定が違うが、新平のポリシーや英子の性格、家族構成(名前も)ほぼ同じ。短いのが残念。「妹思い」父再婚、可愛い19歳の妹ができて舞い上がる大学生達也の話が面白かった。

2023/12/20

[きさらぎ]

「願い事を3つ叶えてあげる」生前の祖母が叶えてくれるのは小さな願いだったが、十三回忌を迎える祖母は大きな力を持っていた。妹が欲しいと密かに思い続けていた願い、いびつな家族にあった散骨と密葬を願う、別れた彼女にいいところを見せたいという願い、恋人と別れた友達と「いい男見つけよう」といいあう願い、どれも叶えてあげたい。願いが叶うと言われる苔玉を20年以上大事にもっている『お願い玉』そもそもあの苔玉が本物なのか疑問だが、信じている限りその願いは叶うような気がする。何かを信じるという純粋な気持ちが幸せを呼び込む。

2017/10/22

[ちょるる]

初読み作家さん。「お願い玉」が好きでした。「つるとくま」はなんだか可愛かった。9編の小さな願いごと…でもあまり印象に残らずさらっと読了。読了後にどんな内容だったっけ？とまた読み返す始末。度忘れ？物忘れ？がひどくなりませんように、と思わず願ってしまった…トホホ(笑)

2016/09/01

[ゆきちん]

初読みさん。「願い」がテーマの短編9つ。不倫がバレた元OLのささやかな三つの願い。妄想大学生の妹が欲しい。サラリーマンの不倫してみたい。小学女子の熊さんになりたくない。老紳士のお墓が欲しい。復縁したい男のホームランを打ちたい。アラフォー女の泣き顔は見たくない。引きこもりライターのもう死のうか。願いが叶う玉を大切に持つ女。ハートウォーミングで読みやすいんだけど、ほわっとしてるというか、淡白な読みごごち。とても短いお話だからかな。

2016/06/18