もしもし下北沢

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

もしもし下北沢

  • 著者名:よしもとばなな
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 毎日新聞出版(2013/03発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620107578

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

知らない女と心中してしまったお父さん。なぜ? 残されたお母さんと私は、新しい人生を始めようと思った――下北沢で。
人と街が織りなす愛おしい物語。ばななワールドからの贈り物。「この街に来てから、私はどんどん素直になっていく」
イラストレーター大野舞による連載時の美しい挿絵を収録(電子版のみ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

231
この小説のキー・コードは時間だ。小説の主人公であり、語り手でもあるよっちゃん自身の悲しみや困惑を少しずつ癒して行くのも時間だし、作者のばななさんが愛惜の念を持って描き出そうとするのも、時の流れとともに失われ行く下北沢の街の風景だ。物語のほとんどは、下北沢の、それも茶沢通り周辺で、いたってリージョナルに繰り広げられる。そして、そのリージョナルさこそが小説の生命だ。今はなき「レ・リヤン」をはじめ、実在のお店や街の人々が描かれ、街はそこに街本来の姿で、やってきた者を迎える。それは本当の意味で成熟した都会の姿だ。2014/06/09

風眠

106
生きていれば、本当にいろんなことがある。悲しみも、怒りも、絶望も、喪失も、できることなら私の日常にやってこないで、と思うけれど、幸せに満ち足りているばかりじゃないのがきっと、生きる、ってことだ。ほとんど知らない人に近い遠い親戚にあたる女と、心中するみたいに一緒に死んだ父。なんの前触れもなくやってきた衝撃は、嘆き悲しむ余裕すら与えてくれない。幸せの記憶と、信じたくない現実が、解決されないまま心を巡る。言葉にならない想い、何ひとつ解決できなくても、ただ前に進む。それが人間の強さでもあり、希望でもあるのだろう。2010/12/12

ひろちゃん

60
うーん……。暗い!愛とか男女について考えさせられる。けど、そういう関係になってから「この人のこと好きなんかなあ?」って考えるほどモテたこともなく共感できん。2016/12/16

nyanco

55
突然、夫が、父親が知らない女に無理心中の道連れにされてしまう…あまりにもいきなりで、理不尽で…、受け止めて昇華するには時間が必要だろうなぁ。娘と妻、親子と夫婦という関係の違うによる違いも面白かった。私は母の立場で読んだのだが感情をぶつける相手が両方ともいない…のが何とも辛い。自分のの中で昇華するしかない、その方法として妻の取った行動は同世代として実に羨ましい。こんな風に生き直せるならいいな。一方娘の方は大切な仕事に巡り会い、一生掛けて働いて行こうという流れと、料理について描かれた部分もとても良い。続→2010/10/31

tokotoko

44
久しぶりのばななさん。まず装幀と装画がとてもキレイです。しおりの紐もね、裏表紙の色と揃えてあって、とても素敵です。お父さんをなくした、よっちゃんとお母さんのその後のお話。優しい人達がたくさん出てきます。人も時間も場所も、少しずつ変わっていく様子を、ゆーっくりと見届けた気分になりました。下北沢って聞いたことしかないけれど、この本のように、いろんなお店があるのかな?おいしそうだなぁ、オシャレそうだなぁ・・・いつか行きたいなぁって、そちらの方に心がよく飛びました。2014/05/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/643777
  • ご注意事項