内容説明
盲目の折り紙ニスト加瀬三郎さんは、目が見えないという障害を乗り越えて折り紙のワザを自分のものにしただけでなく、折り紙で世界中の困難な状況にある子どもたちと心を通わせ、元気づけてきました。そのエピソードは、読むものに感動と力を与えてくれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
43
ハローフォックス、素晴らしい! 読んでいて、背筋が伸びる感じの本だった。加瀬さんの生き方に、そして相棒となって世界各地を一緒に訪ねた田島さんに感動した。折り紙は皆の笑顔と世界の平和につながる文化であり、芸術だと確信した。2023/06/08
リコリス
31
折り紙で世界中に笑顔の種を蒔いていった盲目の折り紙大使、加瀬三郎さんをずっと見守り同行していた写真家田島栄次さんが書いた物語。戦争や災害、障害や貧困で心に傷を負った子供たちがいると聞けばどんなところへも駆けつけて折り紙一枚で元気をとりもどさせる。宗教や習慣が違いお互いを敵と考える民族の子供達も一緒に折り紙を折る。こういうシンプルで地道な活動から平和な世界が生まれるといいな。心温まる作品でした。2015/11/21
かいゆう
24
小学一年生のクラス補助ボランティアをした事があるのですが、ハート、リボン、お花、風船など、折り紙のバラエティは豊か。楽しそうに作ってはプレゼントしてくれる。加瀬さんは世界49ヵ国へ行かれ、障害、戦争、病気、貧困などで元気のない子ども達に折り紙を通して笑顔を作り、人と人と繋いできた。目が見えないのに大丈夫かな?とかでなく、どこにでも行きたいという加瀬さんを見習いたい。この子には難しいかなと決めつけず、まずはやらせてみる、その子なりの出来る方法を考える、そんな人間になりたいです。折り紙から世界平和を!2016/05/07
はむちゃん
9
目が見えないという障害を抱えながら、みんなを折り紙で笑顔にさせる加瀬さんはすごいと思う。この人にはムリだと最初から決めつけずに、まずはやらせてみる、そうするとみんな自分の方法を使えば出来る事の方が多いのです。そして、折り紙からの世界平和が生まれる事を願っています。2016/05/14
Tucker
7
目が見えないのに折り紙!? ・・・と思うが、加瀬氏が折り紙を教えた子供たちの中には、指が無い子、両手両足が無い子も含まれていた。 目が見えなければ、紙を触った感覚を駆使し、指が無ければ手首や肘で、両手両足が無ければ(手伝ってもらいながら)口を使って、折り紙を楽しむ。 やってみたい、と思えば、なんとかその方法を探し出す強さが印象的。 自分も趣味で折り紙をやっているが、複雑なモノに走る傾向がある。 それだけに小さい子供から高齢者まで楽しめるシンプルな折り紙の間口の広さにはうらやましさを感じてしまう。 2018/07/29