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内容説明
花の好みに現れるように、日本人には西洋人とは違う感じ方がある。「おもかげ」「なごり」「なつかしさ」など、日本人にとってそのものに「詩」を感じる言葉がある。世界がわれのなかでどのように響き合うか。それこそが感性であるならば、その多くは文化的な環境のなかで育まれ、個々の文化に固有の感性が生まれるだろう。本書は日本的感性を和歌を素材として考察し、その特性である「ずらし」と「触覚性」を明らかにする。
目次
感性とは何か
1 語彙(われ
世界
世界とわれの結び合い
語彙から文法へ)
2 文法(像のずらしとしての想像力
未来完了の詩学-関係のずらし
反省的批判のまなざし
創出する感性-シュルレアリスティック脱/再構成
感性の惑乱)
結び 日本的感性の構造(バラと桜
注視から残像へ
残像の感性-その広がり
世界との隠喩的交感
われの空間感覚
内省的な意識と記憶
浮遊する原点
ずらしの想像力-解釈学と詩学
日本的感性の構造)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
膨大な過去に詠まれた和歌の中から様々な状況や言葉によって分類をして、それを解釈しているものです。ご自分の感性を駆使しての作品解題で、海外との作品との比較など幅広い観点から説明してくれて、また従来の国文学者が書いているものとは一線を画している気がしました。楽しい本でした。2015/11/12
あくび虫
7
内容自体にも難解さはあるのだけれど、そもそも「日本的感性」として挙げられている例がピンとこないです。古語の意味が分からないのもあるし、解説されても共感が遠い。その遠い場所でいろいろこね回されても、見えるような…見えないような…そもそも「日本的感性」とやらはどの程度生きているのだろう思いました。2023/04/27
Haruka Fukuhara
5
ちょっと予想していたのと違った…。もともと、雑誌の中央公論に掲載されいていた著者の文章の教養の香りと現実把握のバランスの良さに惹かれて、そのあと美学を専門とする哲学者だと知ったので、この本で何か著者の美に対する想いのようなものを読めるかと思ったのだけど。この本は日本の和歌の伝統から日本の感性と呼べるものを抽出しようとする試みのよう。成功しているかわからないけど、哲学者だけに、普通の作家や思想史系の学者などによる和歌の本とは扱い方が違って、誤解を恐れずに言うならば無機質な印象があった。2017/03/11
壱萬参仟縁
5
詩の解説から成っている。和歌の解釈本。ただそれだけではつまらないので、何か印象に残ったものを。おもいやり、の、思ひ遣る(197頁)。思いを遠くに送ること。遠くに送る、という発想なら、遠距離恋愛も思いやりの産物か。2013/06/05
あい
3
この本に初めて出会ったのは5年前のこと…それ以来、折にふれて読み返します、特に長谷川等伯の松林図屏風のお話。「日本的なもの」って言われてなんとなく分かる人は多いのではないでしょうか。でも、日本的なものってなんだろう。なんとなく分かるけど言葉にできない、周りを掘ることで浮き彫られるような、言葉にしづらい「日本的感性」を言葉にしようとしてくれた本だと思います。
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