内容説明
独自の授業内容で、教師・研究者から高い評価と注目を集める著者の詩歌授業実践集。俵万智の恋人になって『サラダ記念日』への返歌をつくり、島崎藤村の初恋の相手、まだあげ初めし前髪の“きみ”の目線で『初恋』を書きかえ、森の中で木に向かって谷川俊太郎の『き』を読む…など、選りすぐりの授業とみずみずしい生徒の作品を収録。
目次
1部 詩を書く授業「木になる」PART1――詩「き」(谷川俊太郎)を読む授業「木になる」PART2――「自分の木」を詠む俵万智と恋をする――相聞歌で恋愛へのあこがれを詠む定型詩を書く――詩「初恋」(島崎藤村)を書きかえる連句を作る、連句でつながる――十四文字に自分らしさをこめて表八句を作る――連衆として、芭蕉と旅する2部 詩を読む詩「便所掃除」(濱口國雄)を読む――ことばが離陸する瞬間を体感する詩「春」二題(安西冬衛)を読む――一行詩で春を味わう五行歌「ばらのアーチ」(田渕みさこ)を読む――ひとつの詩をいちばん素敵に読む詩集『ぼくは12歳』(岡真史)を読む――詩と対話し、自分の闇に語りかける俳句「三月の甘納豆」(坪内稔典)を読む――俳句を俳句らしく授業する中学一年生と俳句を読む――扇面に描く小さな物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKI(magicrose)
20
「詩歌を作る」と「詩歌を読む」の二部構成。それぞれ6つ、合計12の実践記録が綴られています。想像以上にバラエティに富んだ内容。まっすぐで自由でやわらかで繊細で力強い中学生たちの言葉が心に迫り、胸いっぱいになってしまいました。読みながら、何度熱いものがこみ上げたことか…。中学生がこれほどまでに安心して自分を開き、誰かに遠慮することなく感情や思考を表出できるなんて。"教室が文学のことばで満たされているとき、生徒はそれぞれに自分の光を明滅させている" こんな時間を作り出すことができる国語教師という仕事に拍手。 2020/02/17
フィリッポ・インザーギ
1
感動した。校長先生だという。詩や俳句を作り、お互いに交流することで、自分の価値観を開かせる実践の数々。僕も中学校の国語の教師だが、とても勉強になった。やはり、授業というのは尊いものだと再確認した。こんな先生になりたいです。2018/02/07
aabbkon
1
素晴らしい。「君」に託して詠むのって良すぎる。2015/07/10