内容説明
Xシリーズ、待望の開幕! 行方の知れない兄と、凄絶なまでに美しい双子、そして後妻。周囲から時間が消えたような屋敷に今、血腥い風が吹く。黒髪の佳人、佐竹千鶴は椙田探偵事務所を訪れて、こう切り出した。「私の兄を捜していただきたいのです」。双子の妹、千春とともに都心の広大な旧家に暮らすが、兄の鎮夫は母屋の地下牢に幽閉されているのだという。椙田の助手、小川と真鍋が調査に向かうが、謎は深まるばかり――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこりり
66
いわゆる森ミステリィ。あるいはXシリーズ1作目。Graeciaからの椙田のスピンオフ。舞台は東京。SYアート&リサーチが始動してしまう。森博嗣×Tokyoのワクワク感。たまらねぇって森博嗣!椙田がメイン張ると聞いて、テンション爆アゲで読んでいたら、椙田が5ページくらいしか出てこないのゲラゲラ笑った。探偵はな〜もしない。助手はくっそてきとー。事件?何それ?けーさつに任せとけ。ゲラゲラ笑う。予感はあったのだけどやっぱり”彼女”の影。あー!もう!沼深嗣がやめられん!森すぎるでしょ!ズブズブ沈んでく! 2022/02/07
KAKAPO
64
Gシリーズは、ギリシャ文字による各巻の繋がり、インターネットからの勧誘が疑われる連続自殺、背景に横たわる宗教の影など社会問題との関係を感じさせる物語であるが、Xシリーズは、小さく閉じだ世界で起こる奇怪な事件を扱ったものだ。それは、読者が感じた通りのものなのか、それとも壮大な物語に繋げるために、読者を欺く表向きだけのものなのか、現時点では分からない。いずれにしても、主人公たちに直接危険が降りかからないGシリーズに比べ、緊張感とスピード感が加わった展開が手軽に楽しめる。徐々にキャラクターも際立ってゆくはずだ。2016/09/05
さゆ
61
意外にも拍子抜けするほど軽い読後感でした。謎解き、推理、ミステリーというよりも、怪しい雰囲気の事件を背景に、助手の小川さんとお留守番真鍋君を中心に、シリーズに登場する登場人物とその背景の楽しい紹介という感じ。でもそれがサラサラと読みやすく、読み終わってみると「あれ?事件は・・・、まぁいいか解決したし」という(笑 悪い感じはなく、次の事件への期待感が増した(ワナか!)ので次の「キラレ×…」へ参りますゞ2015/04/09
もりしー
56
イマイチとの評判ばかり耳にしていたので、ずっと積ん読していたXシリーズ。作者自らシンプルと評しているだけあって、するするっとライトに読めました。小川&真鍋の掛け合いはVシリーズの練ちゃんと紫子さんみたいで楽しいですね。椙田氏の正体を知ってしまっているので、これからどう動いてくるのかとても楽しみです。2016/07/07
荒草ミエル
48
このシリーズはS&Mのサイドストーリー的作品?肝心のミステリ部分はなんとなく予想通りだったのでコアポイントが掴めず。真鍋くん、芸大生なのか…単純に凄い。2017/05/02