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内容説明
理性的だと信じる事柄に実は狂気が混じっていはしないか――パラノイア患者本人に一度も対面することなく、その著作を読み解き、下したフロイト唯一の症例論の待望の新訳
目次
シュレーバー症例論(病歴
解釈の試み
パラノイアのメカニズムについて)
資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くじらい
2
めちゃくちゃ面白い。訳も新しくて読みやすい。ディック『ヴァリス』が好きな人に。2024/01/08
またの名
2
基本治療はしないけど文章でなら分析してやろうという態度の下に書かれたパラノイア論。ラカンの重要な参照先&ドゥルーズとガタリにとっての猛烈な批判対象。シュレーバーのフレックシヒへの転移に同性愛と防衛反応の葛藤があると論じる。「私が彼を愛す」→「私が彼を憎む」→「彼が私を憎む」という歪曲や、圧縮するヒステリーと分割するパラノイアなどの有名な議論は本書から。久しぶりにフロイトを読んで、その思想の屋台骨であるリビドー理論が、他の精神分析家のそれよりも厳密に物理学的な力動論から組み立てられていることを再確認した。2013/06/06
t_m_r
1
丁寧な注釈が付されており非常に親切。また巻末に収録の、訳者によるゲーテ作品の主人公とシュレーバーを比較した論文が非常に読み応え有ってお薦め。2011/05/20
井沼菅人
0
自らの症状とその体験を緻密な筆致で一冊の本として出版した精神分裂症患者、シュレーバーの著作をもとにフロイトが精神分析を行った「シュレーバー症例論」。本作はそれに患者の来歴や論文、当時のフロイトに関する解説を加え一般にもわかりやすく解説してくれます。 この分野には詳しくないので言えることはあまりありません。しかし、性衝動(リビドー)と精神病を直結させて考えるフロイトの理論はあまりに性急すぎる気がしました。 心理学の本を読むのはこれが初めてだったので、もう少し勉強してから読み返せば新たな発見がありそうです。2017/12/21