内容説明
2009年6月、郵便不正事件に関連して、厚労省のエリート女性局長が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕された。「あなたがウソをついているか、ほかの全員がウソをついているかのどちらかだ」完璧なまでに整えられた検察ストーリー。すべての関係者証言は彼女の犯行を指し示していた。日本の裁判は有罪率99.9%。絶対不利の法廷に、「無罪請負人」で知られる百戦錬磨の弁護士が立ち上がった。
目次
第1章 無罪請負人・弘中惇一郎
第2章 特捜ストーリーの完成
第3章 崩れ始めたシナリオ
第4章 特捜検察の誕生
第5章 上村元係長の告白
第6章 決定打
第7章 裁判官の詰問
終章 村木厚子の“告発”
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
30
検察の特捜部が行う捜査はマスコミのスクープ的なモノなのだろう。彼らが描いたストーリー通りに事が運ぶように組織ぐるみで言質を取ろうと試みているのがわかる。村木さんだけでなく何人もの人たちが過去に犠牲になった事が想像できる。 この様な強権的な逮捕が数年前に行われている事、日本の検察は起訴後有罪率はほぼ100%という事実、冤罪にならず無罪勝利に終わったことなど驚異と感じた。この事件を日本検察のターニングポイントとして欲しい。また弁護をされた弘中惇一郎氏もハンパでない。続く→2017/10/11
James Hayashi
26
これ程明らかにでっちあげで冤罪とわかる裁判も、プロの弁護人と確かなる準備がなければ有罪になっていた可能性が高いと思われる。まずは任意の取り調べで呼び出され、身に覚えのないことを否定しても即逮捕。こういう状況に追い込み圧力をかけ10日〜20日勾留する。どれほど心身ともにしっかりしていても、検察の怒鳴り上げるような調書づくりに心揺らぐことだろう。少しでも心神耗弱があれば自分が罪を侵したと認めてしまう。村木さんの無罪が確定した後、法制審議会にて取調べ室の可視化(一部のみ)へ。これも村木さんの意見が活用された。2020/04/22
takao
3
☆市民もどう疑われるかの法的リテラシーが必要だな。司法裁判だって、無罪にも有罪になりうるし、司法取引だって、無罪でも受け入れざるを得ない場合も想定される。2018/01/28
Hideki Ando
3
村木事件を取材したもの。國井検事も問題だったが、前田恒彦元検事に全部持っていかれた感じ。検事が都合のいい調書を作るだけではなく、証拠を作ることもあると国民が知ることが出来たという点だけは、今回の事件の唯一の収穫だろう。2015/03/24
あずさ
1
あまりよくわからない検察の仕事、こんなにずさんで悪質だとは…有罪判決になった過去の事件も、実際のところかなり冤罪が多いだろうな。2014/08/22
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