内容説明
初恋のときめき、恋の成就の歓び、恋ざめのさびしさ、別離の苦しみ……、さまざまな恋の形を詠った歌が収められた万葉集は、日本最古の愛の歌集であり、現代人にも通じる「恋の練習帳」。カルチャースクールで大人気の清川妙による読み解きレッスンに加え、万葉の恋の歌それぞれとイメージを重ねられる小説、映画、詩歌なども紹介されているので、歌の味わいをさらに深く堪能できる。林静一の抒情あふれる挿画が彩りを添え、万葉集の解説書ではなく、恋愛小説でも読んでいるような気分になれるはずだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
99
和歌は難しいと思うかもしれませんが、一度感覚をつかむと難しい詩を読むよりも感情移入することができます。もちろん、古語の意味や詠み人の心情なども清川さんが説明してくださるので、知識がなくても意味は理解できるのです。恋しき人を朝に想ったり、夜の月に出逢った人を忘れずにいたり、恥ずかしくて好きな人の顔を見られなかったり…。今も昔も、人を好きになる想いというのは変わらないんだなということがわかるのです。しかも、万葉集の時代の男女は情熱的でストレートな物言いなんですよね。そのストレートさが心に響いて心地よいのです。2014/06/30
しゅてふぁん
31
万葉集の歌は数える程しか知らなくて小難しい印象だったけれど、紹介されている恋の和歌はどれも素朴で可愛らしいものだった。こんなに素直に自分の気持ちを詠い上げることが出来るなんて素敵!そんな歌を贈って貰える人が羨ましい。歌で恋文の遣り取りかぁ…いいなぁ、してみたいー(´艸`*)こういった解説本を読む度に、受け手側の感性や知識量によって歌意が随分と変わってくるものだなと実感する。言葉の意味通りに読むだけではなく、その歌を立体的に捉えて、読み手の意図やその世界観を豊かに味わうことができるようになりたいな。2018/04/17
はなん
20
ここ数冊の本の影響で、いにしえといまの美しい日本語に触れたくなり手に取る。以前図書館で借りた「万葉恋歌」で感銘を受けた作者のこの一冊は間違いなかった。親しみある言葉で説明される万葉集の歌の数々は、いま、そこで詠まれているかのごとく鮮やかに景色を浮かべ、心を想う。「恋」が実はとても自由であったこと。それ故の悲恋もあれども人々は、自らの想いを時に密やかに、時に大胆に相手に伝える。生き生きとした時の流れも感じられ、非常に深く濃い一冊。「万葉恋歌」を含む既刊本3冊を抜粋して纏めて文庫化したとのこと。(続)2014/09/25
のほほん@灯れ松明の火
18
著者の古典をとても愛されているという想いが あちこちに あふれている本でした。だからといって、全く 押しつけがましくなく、素直に 恋のうたって素敵だなぁって思うことができました。 2012/03/08
ゆきこ
17
万葉集の恋のうたに、とってもロマンチックな解説を添えた一冊です。どのうたも美しく 、命の輝きに満ち溢れているように感じました。言葉や音の響きを大切にしている万葉の人々のセンスがすごい。そして何より、千数百年の時を経て現代まで、万葉のうたが脈々と歌い継がれているという事実がただただすごい。イラストもかわいくて良かったです。2017/11/24
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