内容説明
宮本武蔵は決闘に遅れなかった!? 赤穂浪士は浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった!? 近藤勇は池田屋事件を無理矢理起こしていた!? 鍵屋ノ辻の仇討ちは上手くことが運びすぎた!? 人使いの荒い監督に引きずり込まれて、チャンバラ映画のプロットだてを手伝う破目になった主人公。居酒屋で額を寄せ合い、あーでもない、こーでもないと集めた史料を検討すると、巌流島の決闘や池田屋事件など、よく知られる歴史的事件の目から鱗の真相が明らかに……! 第二回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む四編収録の、歴史ミステリ短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
63
ようやく再読で登録できました。初読のときから、歴史ミステリとしてのすばらしさに、目が離せませんでしたが、再読の今回も同じ。読み出したらやめられないおもしろさでした。歴史の常識をくつがえすような解釈の本は多く、いずれも知的興奮に満ちていますが、ミステリとして安楽椅子探偵に近い味わいが楽しく、居酒屋でこんな話に興じることが本当にできたらと思わせますね。2018/01/27
へくとぱすかる
44
4年ぶりに再読。果たして宮本武蔵は決闘に遅刻したのか? 『時の娘』や『成吉思汗の秘密』と肩をならべる歴史ミステリ4編。居酒屋でのVシネマの打ち合わせ話を、歴史的事件の再解釈に昇華させてしまうワザは、見事というほかない。よく知られた歴史上の事件が、本来の姿ではなく、後世の改変や、巷間のつごうのよいイメージにゆがめられていることも、あらためて思い知らされる。近藤勇、荒木又右エ門(名前だけ知っていて、初読まで何をした人か知らなかった)の新事実に目を開かれた思い。小野不由美さんのように、何度でも読み返したくなる。2022/05/21
Yuki
35
強面で仕事が早く人使いの荒いVシネマの監督・三津木と脚本家の<僕>が、撮影を控えた実録チャンバラ映画のプロットだてのために有名な歴史事件――巌流島、忠臣蔵、池田屋事件、鍵屋ノ辻の仇討ち――をああだこうだと検証する連作短編集。真面目に史料に当たる<僕>と「素人だ」と言いながらも矛盾をつく洞察力を発揮する監督の居酒屋会話のテンポが楽しく、そして暴かれる歴史事件の裏側が刺激的。当時のミステリーズ!選考委員の綾辻・有栖川両氏が大喜びしたのもなるほどと思える愉しさだった。2018/07/18
タカギ
28
「綾辻氏から聞いたところによると、小野不由美氏はもう五回も読み返しているのだそうだ」という有栖川有栖先生の解説につられて手に取った。のだけど、そういえば私は『本能寺遊戯』はあんまり合わなかったのだった。私の頭が悪いせいです。難しいのよね。私は漢文は勿論、読み下し文を見ても目がチカチカするので。正確に文献を調べているようなので、すごい歴史好きのかたや頭の柔らかい若い世代が読んだほうが楽しめるかも。居酒屋で歴史談義、というのは好きだった。巌流島、忠臣蔵、新選組などに興味のあるかたはお試しあれ。2021/05/11
那由多
22
『邪馬台国はどこですか?』より真面目に資料に取り組み割り出した歴史検証だった。現代語訳していない文献抜粋文が読みにくかった点だけが難点。巌流島、赤穂浪士が特に驚きがあって面白かった。2022/08/20
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