水の中の犬

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水の中の犬

  • 著者名:木内一裕【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 講談社(2012/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062767408

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内容説明

探偵の元にやってきた1人の女性の望みは恋人の弟が「死ぬこと」。誰かが死ななければ解決しない問題は確かにある。だがそれは願えば叶うものではなかった。追いつめられた女性を救うため、解決しようのない依頼を引き受けた探偵を襲う連鎖する悪意と暴力。それらはやがて自身の封印された記憶を解き放つ。 (講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

188
実は読了してから、あの不良学生漫画の金字塔『BE-BOP-HIGH-SCHOOL』の作者さんということに気がつきました。そんな色メガネ?は抜きにしても、全然十分におもしろい物語を書く方なんだと驚きました。悪い意味ではなく、話の内容が深すぎはしないので、ハード&ヴァイオレンスといっても全然ライトな感じです。むしろ人間描写がなかなかな書き方で、そちらのほうに引き込まれてしまいます。漫画出身だからなのか、とにかく状況などが容易に想像しやすく、スッと入り込めます。続編『アウト&アウト』も傑作なので、是非どうぞ!2011/07/23

ナルピーチ

187
今までに読んだ木内作品とは類することのない無骨でハードボイルドな本作。矢能シリーズ始まりの物語はとても長いプロローグ、もしくは前日譚といったところか。名もなき“探偵”を主人公にして、銃弾が容赦なく飛び交い、血飛沫が舞い散っていく。彼を突き動かすのはただの正義感かそれとも信念か。愚直なまでに不器用な男の生き様を熱く感じ、結末にほろ苦さが込み上げた。そんな探偵が出会った“矢能”と“栞”を軸とした新たな物語は、探偵の意志を受け継いだ内容となっているのか。続編『アウト&アウト』への期待が膨らむ。2022/04/02

utinopoti27

174
他人のどうにもならないトラブルに首を突っ込み、自らを大ピンチに陥れ、命を粗末にする男。彼はなぜハイリスク・ノーリターンな生き方を望むのか・・。本作は、元警官で探偵を名乗る主人公の命知らずな日々を、3つのストーリーで描くハードボイルド小説だ。木内作品といえば、軽快なセリフ回しとクセの強いキャラ造形、頻繁な場面転換を駆使した疾走感溢れる構成がウリ。今回は決して後味の良い話ではないのだが、主人公の生き様を引き継ぐ『矢能探偵誕生秘話』として、シリーズの今後を形作る、重要な役割を担う。独特の感性が魅力の意欲作。2021/01/03

ぶち

120
先に読んだ『アウト&アウト』の前作にあたる作品。愉快で痛快だった『アウト…』に比べて、この作品はけっこうなノワール小説です。人がたくさん死ぬし、暴力描写もえげつないものがあります。主人公は、先代の探偵で、元刑事です。この探偵が、これでもかというほど痛めつけられ怪我だらけになっても、敵に向かっていきます。読んでいて痛々しく、"誰か助けてあげてー" と叫んでいました。こんな小説ですが、エピローグではホロリとさせられました。次代の探偵への繋がっていく経緯にも胸が熱くなりました。栞の今後もたいへん気になります。2019/08/02

chiru

119
矢能は「名無しの探偵の見張り役」として登場。 探偵は、ノーガードなのに強くてクールで、他人のために傷を負うタフガイ。 現役ヤクザの矢能と探偵は、誰かが不条理に傷つけられることから目を逸らさないという1点で、合わせ鏡のように共鳴しあう。 小学生の少年救出シーンは涙。 ハードボイルドだけど、外し加減が絶妙なところが好き。 セリフの間合いの数秒に、感情ではなく心の欠片みたいのがたくさん散らばってる。 それが泣きたくなるほど優しくて尊くて、胸に迫る勢いで心を打ちます。 続きが楽しみ! ★52019/02/13

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