内容説明
希代の姦雄か、全能の超人か。後漢末の戦乱から頭角をあらわし、三国魏の基礎を築いた一代の英雄・曹操。その出自から、並み居る群雄を制して魏国を起こすまでの足跡を辿る。幾多の毀誉褒貶をいったん解体し、当時の政治・社会との距離をはかりつつ相対化し、知られざる実像に迫ろうと試みた。
目次
第1章 濁流に生まれて
第2章 曹操の起家
第3章 挙兵
第4章 群雄への道
第5章 天子奉戴
第6章 中原を制す
第7章 赤壁の敗戦、そして魏王へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アイゼナハ@灯れ松明の火
25
小説ではなく、史実に基づいて『非常の人、超世の傑』曹操の生涯を追った解説書。劉備ほどではないにしろ、それほど門閥に恵まれてもいたいところから始まって、大きな敗戦も結構経験してるのに、一代で魏朝の基盤を作り上げたのは凄いよなぁ、と改めて。『蒼天航路』を読み返したくなりました(笑)2010/08/29
鮭
10
歴史書を丹念に辿っていった曹操の一代記。史実ベースでもここまで魅力的な人物足り得るところに曹操の偉大さがみえる。曹操以外にも後漢霊帝の先見性や袁術→孫策政権への連続性等興味深い記載もあり、新鮮な気持ちで読めた。本書は学術書ではないものの、ある程度三国志を深く読んでいないと面白さが伝わらない内容な為、読む人を選ぶ一冊ともいえる。2025/05/24
isfahan
7
「……決して計算高いマキャベリストでもまして完全無欠の超人でもない。むしろ情に流されやすい人間だった。そうした欠点を強靱な意思の力でカバーしたことに彼の偉大さがある。……冷酷無比の権力者。後世彼に貼られたレッテルはみずからが創りあげたもう一つの人格だった」。曹操起家までの彼の思想的、人脈的背景を祖父の代から掘り下げる様は圧巻。膨大な数の人間と張り巡らされた人脈を詳細に調べ上げ、歴史の動きに直結する様を描き出す。天下統一できないというのは、天命というか時代の流れとういものがやはり存在するのだとも思う。2014/03/23
俊
6
巷に流布する曹操像は曹操自身が作り上げた人格だとする著者の説は腑に落ちた。らしくない失敗は彼の「素」が出た結果なのだろう。自分の弱さを補う努力をし続けた曹操はやはり英雄だ。2019/04/10
nori_y
3
「曹操」その人と言うよりも、周りの人物や動きをひたすら史実に基づいて固めていき、「なぜ曹操だったのか」と言うところを興味深く読ませてくれる一冊。初見の名前がごろごろしており、正にこういう時にこそ、先日来、積読している渡邉先生の『三国志事典』を活用すべきなのではと気付いた…。2017/09/10
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