内容説明
授かった3人の息子は、それぞれタイプの異なる障害児だった…長男の洋平は施設で暮らす20才になる重度障害者。次男のダイは私立高校に通う高校3年生で、高機能自閉症。三男の航は特別支援学級に通う中学3年生、知的障害もある重度の自閉症児。そんな三人の息子に恵まれた佐々木家の父と母は、たいへんなこともたくさんの心配も、ユーモアと愛で乗り切って、生きてきた。重い運命を生きながら、どこまでも明るく、そして涙なしには読めない感動の書。
目次
父さんから洋平への手紙 佐々木博之
はじめに 佐々木博之
さんさんさん リターンズ 佐々木志穂美
つながった
ファーストシューズ
チューリップ畑
運命
恩返し
「困った子」
かさ
制服
卒業
スロウ スロウ
死というもの
幸せなはずはない
ウグイス
人のなかで
旅
自転車
えらかったね
修学旅行
人間GPS
自立
カミングアウト
才能
失うこと
声
泣きまね
手をつないで
兄弟
戦争に想う
先生
手紙
分かれ道
運命の出逢い
ま、いっか
成人
父さんから二十才になった洋平への手紙 佐々木博之
長い長いあとがき 洋平の死 佐々木志穂美
解説 カタクリのような 玄侑宗久
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昭和っ子
19
「中学時代、特にダイをいじめていた子は勉強もスポーツも優秀だった。「一番でなければ」と育てられた子に、ダイは価値なく見えたのだろう。でも、その子が、その価値観のまま生きて行くなら、この先、もしなんらかのトラブルで人よりうんと負ける経験をしたとき、自分を許せないと感じるのではないだろうか」「いま、自分で自分の命を絶つ人が多い。そこにはいろんな理由があるのだろう。自分を愛せなくて自分をやめてしまった人もいるだろう。もし、何があっても自分を愛せる心を持っていたら、死に至らなかった人もいるかもしれない」2016/03/13
ココユキ
4
自分の子育てのことを反省させられて胸が痛くなりつつも、洋平くん、ダイちゃん、航くんの日々に笑わせられたり泣かせられたりしました。さっと読める本だけど感想にするのが難しい。心の中に沸き起こる様々な思いや気持ちが多すぎるのだろうな。エッセイの力を感じました。洋平くんの付き添いで泊まり込んだとき「夜中に(しゃべることが出来ないはずの)洋平に呼ばれたような気がして起きることがあった」というお父さんの話は、実体験した人も多いエピソードなのじゃないでしょうか。2016/02/17
リリィ
4
泣いた。笑った。 結構軽く口にされてる気がする「死ね」って言葉。私も聞くたび胸が痛く悲しい気持ちになる。「死」って、懸命に生きたゴールであってほしい・・・本当にそう思います。 2013/01/20
くるみ
3
凄く温かい気持ちになりました。明日も元気に幸せでいてほしい。2010/10/23
蒸着ヒートジョーカー
2
勝手に流れ出す涙、それを止める術を私は知らないのであった。おとーさんの味のある文章にも胸熱。2013/10/06
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