「食料自給率」の罠

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「食料自給率」の罠

  • 著者名:川島博之【著】
  • 価格 ¥1,600(本体¥1,455)
  • 朝日新聞出版(2012/08発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784023308305

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内容説明

「食料自給率40%」におびえる日本の食卓の未来を予測する。食料自給率が低くても、農家の後継者が少なくても、日本が食料の危機にさらされることはない! 事実誤認に基づく対策こそが日本農業を追いつめ、食の安全保障を危うくする。食料自給率が低いほうが、「日本の農業」は強くなれる! 最強の農業国オランダも穀物自給率が低いなど、食と農の真実の姿を明らかにし、不毛な議論に終止符を打つ!

目次

第1章 人口が増えれば「食料自給率」は下がる
第2章 食料自給率が下がると、「日本」は飢えるか
第3章 穀物は安く、利益を出すには「規模拡大」しかない
第4章 「地方の人口」が多い日本では、規模拡大ができない
第5章 「広い土地」を必要としない農業は有望
第6章 農業における「選択と集中」を考える

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mazda

33
読んでいて驚いたのは、穀物自給率が14%しかないオランダ(日本は32%)が、貧しいどころか、純輸出額が他国に比べて圧倒的に高い農業国である、ということである。なぜなら、小麦やトウモロコシなどの安い穀物を大量に輸入し、チーズ、肉、トマト等、値のはる作物を輸出しているからである。これは、工業における日本のそれと同じ「加工貿易」である。この事実を見て、自給率が高くないといけない理由って、一体何だろう…?ちょっと考えると、食料自給率を上げることが必ずしも国益にならないことはわかるのにな…。2014/03/17

Miyoshi Hirotaka

19
明治以降の150年でわが国の人口は4倍に。昭和には既に開墾できる土地はなく、食料自給はこの時点で画餅になった。にもかかわらず、自給率が脚光を浴びるのは、農村型選挙区は得票が安定するという政治的事情によるものだ。このため農家に対するバラマキ政策が横行し、結果的にわが国の農業競争力は著しく毀損した。世界最強の農業国は面積が北海道の約1/2しかないオランダ。わが国の農業が生き残るためには大規模化しか道がない。しかし、これには、江戸時代から続く土地所有システムとGHQが行った農地解放の枠組みの変更が必要である。2014/03/03

yusaku hanada

3
結局何が結論なのかわかりづらい章が何箇所もあったが、テーマとして興味深い。2014/01/16

とこまた

3
この本には本当のことが書かれています。少なくとも、我が家のような兼業農家の存在意義を30年来考え続けてきた私の胸の内を代弁してくれてることは事実です。専業農家になる度胸もなく、かといって大切な既得権(いやな言い方ですが)であるところの農地を手放すだけの潔さもない。この本、我が家や我が家周囲の兼業農家たちの毎年の営みを肯定してくれてます。「居てヨシ」「あってヨシ」って言ってくれてる本に初めてであいましたよ。農家じゃない皆さん、弱小非効率兼業農家ですけどただ単に値上がり期待で田んぼ作ってるんじゃないんですよ。2010/09/22

たろーたん

2
日本の食料自給率は2005年(40%)と1961年(78%)であった。この二つを比べると、米の割合が46.6%→22.1%になり、代わりに植物油3.2%→12.2%、小麦9.7%→13.3%となったからである。つまり、これらを戻せば、8割程度までは戻るということだ。戻らせたいか否かはともかく。また、そもそも、日本は人口の割に人が多く、FAOによると、1ha当たりの扶養人口は27.4人で、農業大国オランダ15.1人、イギリス10人、フランス3.2人、アメリカ1.8人を比べても明らかに多い。(続)2023/10/12

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