内容説明
行動派作家のすべてが楽しめる珠玉エッセイ集。
若き日の東京の記憶、家族や仲間と暮らしてたいろいろな家のこと、愛すべき本のこと、大好きなビールや麺や味噌汁のこと。そして旅のこと。日本のみならず、地球各所の驚くべき風景から、出会った人とのふれあいまで。行動し、書き、撮り続ける作家の30年がここにある。著者によれば「この本はこの二十年ぐらいのあいだに書いてきたエッセイをまとめたものである。読み返してみると自分でもとうに忘れていたけれど我ながら結構おもしろかったり、なかなか凄い体験をしてきたんだなオレは、などというものもあり、そのままチリガミ交換に出してしまうのも惜しい気がしたので、ここに晴れて一冊にまとめたというわけです」かつて同じ時代に生きた者が、忘れていた若き日の心と出会うことができるエピソードの数々。それは、単に懐かしいだけでなく、ちょっぴりほろ苦かったり、照れくさかったりで、それでもいい人生だったかもしれないと思わせてくれる。再び著者曰く「まあ、このような『わが人生の削りかす』のような、焚き火の燃料にしかならないような話が本になるのは一生に一度という気もする」──さあ、ビールでも飲みながら、あなたもこんな焚き火を一緒に囲みませんか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
46
「味噌汁自治共和国」の擬人化はさすが最高におもしろい。バスの中で読んでいて、笑い声が出そうになった。自動執筆装置とは何だろうかと思ったら、ワープロのこと。原稿用紙カリカリでやってきたシーナさんならではの命名だな。あと一歩で日本語論になりそうな点は、感情的評価で笑えるエッセイ化。木の揺れから一気に起こった感情の変化には、身につまされるものがあった。2019/01/19
柴多知彦@cinema365
3
「新宿赤マント」のような連載エッセイではなく単発原稿をまとめた蔵出しエッセイ集。前文で著者自身が「一次、二次予選を通過して残ったものを選んだ」とあるように、近年のシーナ・エッセイの中ではそこそこ読めるレベルには達している(エラソーですいません)。白眉を一篇えらぶなら味噌汁の具を擬人化した「味噌汁自治共和国」ですかね。2015/06/23
にやり2世
2
たき火そのものを語るものではなかったなぁ。振り返りエッセイ。足パタパタ欲しい。2014/10/16
DBII け
2
椎名さんらしい一冊です。賛同できる意見七割、賛同できない意見三割です。2014/02/04
たか。
2
それぞれの話は時間軸がバラバラだけど、それでも面白い。椎名ファン以外の人にはあまりお勧めできないかも。2010/10/02