内容説明
日中戦争中に戦地に派遣された慰問団「わらわし隊」。埋もれていた資料や元兵士の証言を元にその実態を浮き彫りにしつつ、慰問団が見た「南京」や「慰安婦」等、今も論争が続く一連の問題にも一石を投じた力作ルポルタージュ。
目次
第1章 わらわし隊、中国へ
第2章 エンタツ・アチャコと柳家金語楼
第3章 柳家金語楼一行の足跡
第4章 わらわし隊の見た上海・南京
第5章 戦場にある笑顔と涙
第6章 深まる戦火
第7章 漫才「わらわし隊」
第8章 笑って死んでくれ
最終章 ミスワカナの死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MURAMASA
26
日中戦争当時、戦地に赴きお笑いで慰問した「わらわし隊」のルポルタージュ。筆者は私より少し下の、つまりは戦争は全く知らない年代ですが、膨大な資料を丁寧に読み込んで、当時の関係者や遺族に話を聞いて、わらわし隊の全貌を明らかにしていきます。帰国した芸人の寄稿したコラムや漫才台本なども引用しながら生き生きと描かれる慰問団の様子と、当然のことながら現地で展開する戦闘の様子。演芸史の一面を描いた書として、そして日中戦争を新たな視点で描く書として、とても興味深く読みました。 続2010/07/31
北本 亜嵐
12
戦時中、前線で奮戦する多くの兵士たちを慰問するために朝日新聞と吉本興業が協力して所属芸人による「わらわし隊」が作られ、中国大陸に派遣された。「ひと時の笑いを」芸人たちは大きな会場から電車の中まで、時には銃声の音をBGMに興業を行った。同書の主役は歴史に名を残す人ではなく、一般の庶民である。彼らの目から見た「日中戦争」歴史書とは違う発見がありました。2015/05/16
慶多楼
1
昨夜のNHKは見逃してしまったが。2010/08/12