内容説明
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日中戦争下の中国で、日本軍は、生体解剖を軍命により実施していた。それは日常の業務であり、軍医、看護婦、衛生兵など数千人が関わっていたことが推定される。
湯浅謙さんが、生体解剖が犯罪であると認識したのは、戦犯として、収監されてからだった。特別軍事法廷で起訴免除され、日本に帰国後、湯浅さんは、自分の体験を、次世代につたえるため600回に及ぶ講演や、100回以上のテレビ出演をつづけている。
著者は、湯浅さんたちを変えた中国共産党の捕虜政策とは何だったかを追う。
目次
1 湯浅謙さんの証言(医学を志す青年たちへ 湯浅さんとの出会い ほか)
2 生体解剖の告発―中国側の資料から(嶋貫倉蔵自筆供述書 遺族郭成則等による種村文三告発資料 ほか)
3 山西省で(日中戦争時の山西省の状況 山西省の鉄道をめぐる攻防 ほか)
4 中華人民共和国の戦犯政策(中華人民共和国最高人民法院特別軍事法廷の開廷 寛大な処分―起訴免除となった湯浅さん ほか)
5 帰国、そして医療活動再開(中国帰還者連絡会の結成 中帰連の活動 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
9
山西省で生体解剖を行った軍医湯浅謙さんが自ら語った加害証言を中心に、撫順戦犯収容所職員の証言、中国国民党・共産党・日本軍の捕虜政策などについてわかりやすく纏められている。中国本土で生体解剖に関わった軍医、衛生兵、看護婦は3000人ほどもいるのに、ほとんど証言していない(自分の行為を罪として認識していない)。2024/02/05
rinpei
0
プロパガンダが多くて身構えて読まなくてはならなかったけど、得たものも多かった。将校なら軍刀による試し切り、兵なら銃剣による刺殺、これらが中国戦線では横行していたことはその経験のある父から聞いていたが、医療関係者は生体手術演習ですか・・・。日本軍のやりそうなことだ。こうした証言の発掘は本来我が国政府の手でなされるべきもの、この点は日本人として恥じる。なお西松建設に対する最高裁判決は立派な判決だと思うよ。ワンサイドからしか物を見ない著者の態度は、対立の連鎖を生むだけと思う。2014/04/30
de sang-froid
0
戦争中の行為によって心や体に傷を負い、当事者は戦争が終わっても長い苦しみを味わう。現代の戦争では、間接的に加担させられてしまうこともある。「NO」といえる勇気を持ちたい。2010/10/10
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